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アグリビジネス業界ニュース

事業戦略「周辺分野への展開」の一環で
非農耕地農薬2社を統合

―住友・保土谷化学―


 住友化学工業(株)と保土谷化学工業(株)は3月3日、家庭園芸、ゴルフ場、林地、鉄道などの非農耕地分野における農薬事業の一層の強化・発展を行うため、(株)日本グリーンアンドガーデン(以下、日本G&G)と保土谷アグロス(株)(以下、保土谷アグロス)の2社を4月1日をもって合併すると発表した。
 新会社の名前は「(株)日本グリーンアンドガーデン」で、本社は2社の現在の所在地である東京都中央区東日本橋におかれる。社長には大塩裕陸氏が就任する予定。また、資本金は9000万円で、住友化学工業(株)65%、保土谷化学工業(株)35%の資本比率となっている。約25名の従業員で立ち上げ、年間売上高40億円を目指す。
 日本の農薬市場は、家庭園芸ブームや緑化意識の高まりもあって、家庭園芸や芝生用など非農耕地分野は高い成長性を示しており、今後もより一層の需要の拡大が期待されている。
 住友化学工業(株)では2001年10月に非農耕地分野での農薬などの開発販売を行う会社として設立した日本G&Gを通じて同分野の事業拡大に努めつつ、より一層の事業の強化を図るべく他社との事業提携をも含めた可能性を検討してきた。
 一方、1994年に設立された保土谷アグロスは、主に保土谷化学の農薬事業を継承する形で、原体メーカー支援のもとに非農耕地分野での農薬などの開発、製造、販売を行ってきたが、より一層の事業経営の効率化による競争力強化や製品のラインアップの充実が求められていた。
 住友化学工業(株)と保土谷化学工業(株)は、日本G&Gと既に非農耕地用除草剤で幅広いメーカー協力関係を築いている保土谷アグロスを統合させることにより、主力剤の相互補完による製品ラインアップの充実および末端に対する販売力強化、さらに研究開発の効率化など合併によって得られる効果が大きいことから、この度の合意に至った。
 住友化学工業(株)にとって、本合併は農業用農薬の「周辺分野への展開」という事業戦略の一環として実施したもので、今後は統合新会社を非農耕地分野における住友化学グループの製品の開発・普及・販売センターに位置付け、そのプレゼンスをより一層高め事業展開のベースとしていく。(2003.3.12)


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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