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アグリビジネス業界ニュース

「MY−100」が日本農薬学会賞を受賞
大型品目への成長を高く評価


 このほど、MY−100(オキサジクロメホン)の開発において、園田正則(JA全農農薬研究室)、直原一男・鈴木久人(バイエル クロップサイエンス(株))、臼井義浩(三菱ウェルファーマ(株))の4氏が、平成15年度日本農薬学会・業績賞(技術部門)を受賞した。3月22日から名城大学で開催される農薬学会第28回大会で授賞式と講演会が行われる。
 JA全農とバイエル クロップサイエンス(株)が共同開発し、「低コスト、高い除草効果、環境にやさしい」と時代のニーズにあった除草剤MY-100は、2000年の市場投入以降順調に普及面積が拡大し、この大型品目への成長が高く評価された。ここでは、3氏に受賞談話をいただいた。

 園田正則氏(42歳) 名古屋大学農学部農芸化学科卒

園田正則氏

 私がMY-100と出合ったのは、1995年2月に営農・技術センター農薬研究室に異動したときです。極めて高い防除効果、環境への安全性など画期的な除草剤の開発を進めているというのが、第一印象です。私の当時の課題は、MY-100の登録に向けた環境特性面でのさまざまなデータ作成でした。登録上必要とされる多岐にわたるデータを地道に積み上げていきました。
 特に、MY-100は単位面積当たりの施用量が極めて少なく、代謝物を含めた分析は困難が伴いました。低コスト、高い防除効果、環境にやさしい本剤が予定通り農薬登録認可となり胸をなでおろしました。25万haにも及ぶ水田で使用していただくような、大型商品MY-100の開発に関われたことに感謝しております。

 直原一男氏(56歳) 岡山大学大学院農学研究科修士課程卒業

直原一男氏

 三菱油化(株)は新規ヒエ剤開発において、環境負荷を最大限抑えるために有効成分が10a当たり10g以下、かつ高葉令対策として2・5葉期のヒエにも効くものという目標を定めていました。合成陣のがんばりでわずか3カ月間で300個余を合成しましたが、その中で工業的に安価で、中間体のソースが確立され、しかも性能的にもっとも優れていたMY-100が選抜されました。
 流通を意識し、各社と協調路線で混合剤をつくりましたが、今回の受賞は1個人のものではなく、内部の50名余はもちろん農水省、日植調、環境省、厚労省など多くの携わってきた方々全ての受賞です。とりわけJA全農と組んだことは大きく、ここまで大型品目に成長したのは系統組織をあげた結集力の賜だと思います。

 臼井義浩氏(46歳) 京都大学大学院工学研究科修士課程修了(合成化学専攻)

臼井義浩氏

 MY-100は、三菱油化(株)にとってMY-93(ユカメイト)、MY-71(ユカワイド)、MY-15(ユカホープ)に続く第4番目の水稲用除草剤です。社内の化合物番号は16000で、1,2桁と5桁の数字を合わせMY-100となりました。
 最初、実験室での大量合成は5〜10リットルのフラスコで原体を合成していましたが、ステージが上がるにしたがって、合成量が増え社内のファインプラント(100〜500リットル)で製造しました。ところが実験室の結果がスケールアップすることにより再現できず、この後工業化プロセスの確立までにはかなり苦労しました。
 10年以上も前のことですが、自分の創った化合物が現在日本中の水田で使用されていることは、まことに研究者冥利に尽きると思います。 (2003.3.20)


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