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第28回総会(上)と授賞式の模様(下)(3月22日・名城大学にて) |
日本農薬学会(大川秀郎会長)は、3月22日〜24日の3日間、名古屋市天白区の名城大学において、『日本農薬学会第28回通常総会』を開催し、全ての議案を承認した。初日には日本農薬学会賞授賞式が行われ、23日、24日には植物保護とバイテク・農薬製剤などでシンポジウムを開いた。
日本農薬学会では、新しい世紀の開幕にあたり、農薬科学の新たなる展開と学会活動の方向付け並びに農薬産業の発展を目指し、3つの柱からなる「21世紀記念事業」を2001年より進めている。
第1は、消費者(市民)、農業生産者、農薬普及・販売担当者を始めとする多くの人を対象にした「シンポジウム・市民講座―農薬と環境と安全性―」の開催。平成13年10月のさいたま市での開催を皮切りに、熊本市、岡山市、札幌市、盛岡市、名古屋市、東京都(2カ所)の計8カ所の開催で約1300名を動員した。
第2は、記念出版事業。わが国における農薬創製の歴史、次世代の農薬開発の探索と展望などに関する一連の書籍を編集・出版し、農薬科学の進むべき道について提案している。既刊書には『日本の農薬開発』、『次世代の農薬開発ーニューナノテクノロジーによる探索と創製』があり、今後は、『農薬の環境科学』の発刊が予定されている。
第3は、国際学会などを通じた国際学術交流の促進。『第10回IUPAC国際植物保護化学会議』(2002年)、『第3回環太平洋農薬科学会議』(2003年、ハワイ)並びに『第11回IUPAC国際農薬化学会議』(2006年、神戸)と進んでいる。
平成15年4月1日からの新執行体制は、安部浩会長、梅津憲治、上路雅子、佐々木満副会長の布陣。また、名誉会員に高橋正三、宮本純之の2氏、終身会員に荒木隆男、小坂璋吾、小竹森正人、山下恭平の4氏、顧問に鴨下克三、渋谷成美の2氏がそれぞれ加わっている。第29回大会は、平成16年3月25〜27日(予定)に神戸大学で開催される。
【日本農薬学会賞受賞者】
〔奨励賞〕稲生圭哉(環境省):水稲用農薬の挙動予測モデルの開発
〔業績賞・研究〕山本広基(島根大):土壌環境中における農薬の微生物生態影響評価に関する研究 石井康雄(農環研):残留農薬の効率的な分析法の開発に関する研究
〔業績賞・技術〕三浦友三・馬渕勉・東村稔・天沼利宏(日本農薬):除草剤ピラフルフェンエチルの開発 鈴木久人・直原一男(バイエル クロップサイエンス)・臼井義浩(三菱ウェルファーマ)・園田正則(全農):除草剤オキサジクロメホンの開発
〔論文賞〕村田伸治(日本農薬):「プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ阻害型ピラフルフェンエチルの小麦とヤエムグラに対する選択性発現機構」 (2003.3.31)
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