アグロ カネショウ(株)(櫛引博敬社長、本社:東京都港区)はさきごろ、『平成14年12月期決算短信(非連結)』を公表した。
それによると、果樹、花きなど園芸農家を中心に技術普及を重視した農家直結型の営業方針を堅持し、同社と農家、会員店・販売店との連携を密にする「トライアングル作戦」を展開し、強力に需要の開拓と販売促進に努めてきたが、当期売上高77億9200万円(前年同期比0.8%増)、経常利益1億5000万円(同46.0%減)、当期純利益4100万円(同35.7%減)にとどまった。
害虫防除剤から見ると、主力の「カネマイトフロアブル」の販売が好調であったこと、新剤の「アルバリン」の発売もあり売上高は前年同期比6.8%(1億8300万円)増加し、28億7900万円となった。
また、病害防除剤は、比較的好天に恵まれ病害の発生が少なかったこと、環境に安全な土壌消毒剤として注目されてきた「バスアミド微粒剤」も競争激化により伸び悩み、売上高は前年同期比6.0%(1億6500万円)減少し、25億8600万円となった。
除草剤では、水田分野は継続的な減反政策の影響を受けていること、畑作および非農耕地では競争が激化しているなど厳しい状況下にあったが、新剤「アークエース」の市場投入もあり、売上高は前年同期比4.8%(5900万円)増加し、12億8900万円となった。
その他では、輸出が1600万円程度増加したが、国内展着剤、植調剤などの市場環境が厳しく前年同期比1.8%(1800万円)減少し、10億3600万円となった。
同社は、1951(昭和26)年の創業以来一貫して、ファインケミカル(精密化学)の分野で「農家と直結した農薬事業の推進」を事業方針として、農業生産に携わる全ての人に信頼される企業を目指し、個性ある導入品・独自品の研究開発、独自の販売ルートの構築ならびに同社独自の営業支援システム(AKTIS)を駆使し、農家と直結した技術普及に注力して着実に発展してきた。
同社は今後、従来からの取扱品目に注力すると同時に生物農薬の分野にも着目、生物農薬の国内外からの導入、登録取得、維持管理を主目的として「セルティス ジャパン(株)」(三井物産(株)との合弁、2001年7月)を設立し、市場開発や技術普及および販売にいっそう尽力していくことにしている。 (2003.4.1)
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