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アグリビジネス業界ニュース

微生物殺菌剤「インプレッション」を上市
農薬事業推進に拍車

―エス・ディー・エス バイオテック―


記者会見にのぞむ山中主席研究員(左)と安田室長
記者会見にのぞむ山中主席研究員(左)と安田室長

 (株)エス・ディー・エス バイオテック(白井孝社長、本社:東京都港区、以下SDS)は6月4日、昭和電工(株)(大橋光夫社長、本社:東京都港区)で記者会見を行い、微生物殺菌剤『インプレッション水和剤』を市場投入することを明らかにした。
 『インプレッション水和剤』(農林水産省登録第21071号)は、SDSと米国アグラクエスト社(パメラ・マローン社長、本社:カリフォルニア州、以下AQ社)の共同開発によるもので、灰色かび病、うどんこ病などに優れた防除効果を発揮するものとして期待されている。
 SDSは、特に有用微生物を中心とした製品開発に力を入れている。殺虫剤分野では、『バイオセーフ』、『バイオトピア』、『チューンアップ顆粒水和剤』で実績を蓄積し、約20億円強といわれるこの分野の約20%のシェアを獲得している。
 AQ社は、1995年に設立された最先端研究開発型企業で、主に有用微生物を利用した有力製品を品揃えし、北米、中南米、イスラエル、ニュージーランドなどで事業展開し、今後はヨーロッパ、カナダ、アルゼンチン、南ア、オーストラリアなどへの進出も予定している。さらに、複数の新規有効成分を保有していることも大きな魅力となっている。
 今回の農薬登録(平成15年5月7日付け)では、トマト、ぶどうの灰色かび病への適用となっているが、同社では今後、イチゴ、ナスの灰色かび病、メロン、イチゴなど野菜類でのうどんこ病を中心に適用拡大していく。これらを背景にSDSでは、生物農薬分野で海外展開を含め5年後に10億円規模の売上高を見込んでいる。
 【解説】昭和電工(株)およびグループは、2003年〜2005年をターゲット期間とした成長戦略事業の育成・強化をテーマとした「プロジェクト・スプラウト」を進めているが、この半年間をみても着実に成果をあげつつある。
 また、農薬事業も水稲用除草剤のダイムロン、カフェンストロール、ベンゾビシクロンで営業上の相乗効果を生み、一方で、本年1月には宇部興産(株)の農薬事業を買収し、原体メーカーとしての地位を確固たるものにしつつある。今回の新製品の市場投入も、同社の農薬事業推進に拍車ををかけることになる。 (2003.6.5)

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