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アグリビジネス業界ニュース

高収益体質の強化へ 2003年上半期業績を発表
―シンジェンタ―


マイケル・プラグネル最高経営責任者
マイケル・プラグネル最高経営責任者
 世界有数のアグリビジネス企業シンジェンタ(マイケル・プラグネル最高経営責任者、本社:スイス・バーゼル)は7月30日、チューリッヒにおいて記者会見を行い、『2003年上半期業績』を発表するとともに、高収益体質を目指す今後の戦略を明らかにした。
 それによると、2003年上半期の売上高は5%増加したものの、為替利益の3億200万ドル(約380億円)を除くと売上は3%の減少となった。また、CER(恒常為替レート)による農薬部門の売上高は4%減少、製品レンジ合理化の影響(7000万ドル、約83億円)を除くと2%の減少となった。ただし、種子部門はCERでの前年比は3%増加している(図表)
(左から)ハインツ・イムホフ会長、マイケル・プラグネル最高経営責任者、ドメニコ・スカラ最高財務責任者

(左から)ハインツ・イムホフ会長、マイケル・プラグネル最高経営責任者、ドメニコ・スカラ最高財務責任者

 農薬部門の詳細を見ると、需要の低迷の中で価格管理と製品群の整備・集中をはかったが、ヨーロッパの異常乾燥気候により殺菌剤需要が落ち込み、さらにアジアの多くの市場で需要が弱含みであった。特筆できるのは、米国の除草剤市場における価格引き下げに柔軟に対応し「タッチダウンIQ」の数量減少はあったが、値崩れ傾向を抑制している点だ。
 新規剤の売上増はCERで1億2100万ドル(約144億円)となり、これにより今期の新規剤の総売上高は3億3800万ドル(約401億円)に到達した。なかでも顕著な動きを示したのは、トウモロコシ用除草剤の「カリスト」、ネオニコチノイド系殺虫剤の「アクタラ」、「クルーザー」など。製品レンジの合理化により、今期の売上高は7000万ドル(約83億円)(CER)減少(2002年は9600万ドル、約125億円)したが、この合理化プランは2004年末に完了する模様。
 次に、種子部門の売上高はほぼ全製品レンジで増加している。特に、ヨーロッパでの野菜、花き、ひまわり、米国でのトウモロコシを中心とした畑作物および花きで顕著な動きを示している。これには流通体制の変更が大きく作用した。EBITDA(金利・税金・償却前利益)は1億8000万ドル(約214億円)、CERでは5%の増加となった。
 さらに、昨年設立したプラント・サイエンス部門では、バイオテクノロジーによる製品開発を加速している。飼料用の酵素添加物「フィターゼ」、害虫抵抗性綿花、長期間保存可能なバナナ、除草剤および害虫抵抗性を持つトウモロコシ、エタノール燃料用トウモロコシなどがパイプラインにあり、2004〜2007年までの実用化が期待されている。
 記者会見席上、マイケル・プラグネル氏は今期を振り返り「焦点を絞った価格管理、厳格な財務統制、製品群の再編成などにより事業体質を強化した。カリスト、アクタラ、クルーザーなどの新製品が伸長し、種子事業も第1四半期の業績をもとに売り上げを伸ばした。今後とも経費削減の目標を達成し、高収益体質を構築する」と語っている。
 なお、下半期の見通しについて同氏は、「ラテンアメリカでの堅調な伸びが見込まれ、ヨーロッパおよびアジアでの落ち込みを吸収するだろう。引き続き合理化努力を行い、EBITDAの向上に貢献したい」としている。 (2003.8.5)
財務概要(未監査)

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