農薬工業会(多田正世会長)は10月10日、『平成15年8月度農薬出荷概況』について記者会見した。8月度累計では、出荷数量23万4000トン(前年比9000トン減、96.5%)、出荷金額3044億円(同110億円減、96.5%)となり、数量、金額ともにやや減少した。
平成11年度を基準(100%)とした年次推移を見ると、数量は減少傾向が続いており、金額では13年度まではほぼ横這いで推移していたが、14年度より減少に転じた。
要因として、水稲での1キロ剤、ジャンボ剤などによる軽量化および箱処理用混合剤の普及による本田散布剤の減少、流通段階での在庫圧縮などが大きく影響した。さらに、今年度は、トレーサビリティの厳格化・使用回数の減少、適用外使用の罰則法制化などの複合要因が見られる(表1)。
使用分野別での前年比増減を見ると、数量、金額ともに全て減少したが、中でも野菜畑作(数量94.5%、金額94.1%)の減少が大きく、とりわけ殺虫剤の減少が大きく影響した(表2)。
種別での前年比増減では、除草剤は数量(101.2%)、金額(100.9%)ともに増加したが、その他は、数量、金額ともに全て減少した(表3)。
例年9月単月で約200億円が動くことから、年度末実績は3250億円前後となる見込み。
(2003.10.20)
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