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 30周年を迎えた「オリゼメート」 成功は企業理念と全社員の結晶か
《明治製菓》


 明治製菓(株)(佐藤尚忠社長、本社:東京都中央区)が手掛けるいもち病防除剤「オリゼメート」(有効成分:プロベナゾール)が、本農薬年度で発売30周年を迎える。12月2日、都内のホテルで記念式典および謝恩パーティが予定されている。
 同社の農薬事業は、1961(昭和36)年のジベレリンの発売でスタートした。その後、果樹・野菜用殺菌剤「アグレプト」、「オリゼメート」、果樹園・桑園・野菜畑・水田畦畔・非農耕地用のバイオ除草剤「ハービー」などの自社開発品を中心に事業展開してきた。
 30周年を迎えた「オリゼメート」は、自社開発で抵抗性誘導型の独創的いもち病防除剤として、上市以来順調に伸長した。昭和55年、63年、平成3年、5年のような多発生年で、改めて高い防除効果が認められ、その翌年は防除意欲の高揚とともに普及率が飛躍的に伸長した。
 「オリゼメート」認知の一つのきっかけとなったのは、昭和55年の大冷害に見舞われた場面であり、「(従来の粉剤から)粒剤がいもち病の予防散布剤として使用されるようになったことは、画期的なことだった」(松長政幸生物産業事業本部長)という。

オリゼメート剤普及率推移 水稲作付面積・葉いもち発生面積・作況指数推移

 また、「本剤のいっそうの飛躍は、北興化学工業(株)との共同開発による長期持続型育苗箱処理剤『Dr.(ドクター)オリゼ箱粒剤』(徐放化製剤・平成10年上市)の開発にあった」(同)ともいう。その後、長期持続型箱処理剤は続々と登場し、今日に至る。
植松保三農薬資材部長(左)と松長政幸生物産業事業本部長
植松保三 農薬資材部長(左)と
松長政幸 生物産業事業本部長
 「オリゼメート」は、農業環境、栽培技術、農薬散布方法など多様な変化の中で、「あらゆる農家ニーズに対応するオリゼメート」(植松保三農薬資材部長)をコンセプトに拡展し、現在では21アイテムと品揃えが進み、その普及面積は約50万ヘクタールにおよんでいる。
 「オリゼメート」の底流にある特長は、総じて耐性菌がでなかったところにある。「今後も他社と協調して、農家ニーズに対応した品揃えをはかり、環境負荷低減など社会的な要請に応えていきたい」(松長事業本部長)という。「オリゼメート」の成功は、「おいしさと健康」をキーワードとした明治製菓(株)の企業理念を縦糸とし、全社員の真摯な取り組みを横糸とした「止揚的結晶」にあるのではないか。
 なお、明年1月15日には、都内で『オリゼメート30周年記念講演会』も予定されている。

(2003.11.28)

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