農業協同組合新聞 JACOM
   
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消費者の視点で専門家が語る「無洗米セミナー」開催
《全国無洗米協会》

講演する岸朝子氏
講演する岸朝子氏
 特定非営利活動法人全国無洗米協会(福場博保理事長)では、10月30日、渋谷区神宮前の「東京ウィメンズプラザ」において、「もっと知りたい無洗米」〜無洗米について一緒に考えませんか〜のテーマで、研究者、専門家が消費者の視点で食生活や環境問題を語る、無洗米セミナーを開催した。
 福場理事長の挨拶に続き食生活ジャーナリストの岸朝子氏が「おいしく食べて健康長寿」の標題で基調講演を行った。岸氏は人気TV番組「料理の鉄人」の審査員を長年務め、「おいしゅうございます」の決め台詞で全国の顔となった。
 岸氏は、食は命を支えるもので「命は食に在り」という言葉を信奉していると言う。本人は今年80歳になったが、「健康で今日までこれたのは、食物をきちんと摂っていたから」と語る。
 また、「近年は料理を作らない女性が増えたのではなく、料理を作れない女性が多くなった」と昨今の食の現状を批判した。その背景には、コンビニやファーストフードの普及があると言う。さらに、今の若い人は早死にする可能性が高いと、食生活の在り方に警鐘を鳴らす。
 パネルディスカッションでは、埼玉大学教育学部助教授の河村美穂氏が「家庭科の授業では、お米を研ぐことを教えてきたが、これからは無洗米のことも教えていかねばならない」と述べた。
シンポジウム風景
シンポジウム風景
 徳島文理大学人間生活学部教授の川田玲子氏は「鳴門海峡の近くで赤潮を見たとき、衝撃を受けた。米の研ぎ汁に含まれるリンやチッソは、下水道処理では取り除かれず、海に流れ出る。また、BG米加工の過程で発生する肌ヌカを、“米の精”として、肥料・飼料に再利用している話は、素晴らしい。循環型農業はこれからの農業だと思う」と語った。
 会場には、雨天にもかかわらず、無洗米協会のHPなどを見て事前に申し込んだ一般消費者、栄養士、家庭科の先生など230名余が来場、基調講演やディスカッションを熱心に聴きいっていた。
 休憩時には、新潟県産新米のBG無洗米「コシヒカリ」が試食に提供されたが、セミナー参加者のほとんどが、美味しいと回答した。また、参加者の大半が無洗米を使っている人、使ったことの有る人で、首都圏・都市部での無洗米普及が進んでいることを実証したセミナーとなった。
(2004.11.4)


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