農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

コンタミゼロ・小ロット対応の「LSPシステム」
第1号精米プラントを導入
《新潟ケンベイ》

導入されたLSPシステム
導入されたLSPシステム
 このほど、新潟県の大手米穀卸、(株)新潟ケンベイが同社魚沼精米工場に、(株)東洋精米機製作所が開発した最新の精米システム、「LSPシステム」の精米プラントを2ライン導入し、稼動を開始した。
 同社では競争力強化のために、対応が急務とされている多品種小ロット生産、さらにコンタミゼロでトレーサビリティ対策まで同時に行える精米システムを模索していたところ、「LSPシステム」プラントにより実現できるとの判断のもと、導入に至ったもので、同社の今後の経営戦略において大きな役割を担うことになる。
 (株)新潟ケンベイは、新潟県という良質米の一大生産圏に本拠を構える利点を生かし、高品質米の提供や情報発信により商圏を広げ、国内有数の米穀企業として業績を伸ばしてきた。
 しかしながら近年は、新食糧法の大幅改正により、米流通ルートの多様化や新規参入などを背景に、価格競争が一層激化しており、同社としても販売力強化、物流の効率化、精米工場における生産性・稼動率の向上、高品質米の生産確保など経営課題への対応を迫られていた。
 そのため同社では、これまでの新潟工場と魚沼工場の2工場生産体制を、魚沼工場に集約し、効率化・稼働率向上を図るため、本年初めより設備の改善計画を進めてきた。
 特に小口ラインは、量販店など主軸マーケットへの販売力強化のために、小ロットごとに連続精米できること、さらに安全で安心できる商品の提供という面から、コンタミ・トレーサビリティーにも対応できる精米システムを模索してきた。
 本年4月に(株)東洋精米機製作所が、即日精米・即日出荷を実現し、小ロット連続精米が出来て、コンタミゼロ・トレーサビリティー対応も可能な精米システム「LSPシステム」を開発、発表した。同社では早速、発表会に工場長と主要スタッフが参加し、性能、能力を検証したところ、同社が求めている性能を十分に満たしている精米システムであることを確認し、LSP第1号プラントの導入を決めた。
 今回導入されたLSPシステムは、コントロール精米機「DCM−25型」、石抜機「DEー2型」、デジタルカラ撰「DCA−75型」などのコンタミ対応機と搬送機器「トーヨーソフトニューマ」で構成されたラインが2ラインで、最大生産能力は1ライン当たり1.5t/h。
 「LSPシステム」(Less Semi Processed rice)とは、1.「玄米ブレンド搗精」、2.「少量ムラ無し搗精」、3.「コンタミ対応機器」、4.「米の空気輸送装置ソフトニューマ」など、(株)東洋精米機製作所の独自技術により構成される精米システムで、従来の精米ラインでは考えられなかった<玄米タンクからパッカータンクまでの間、工程途中の米量が従来の千分の1(途中のタンクも不要)=中間タンクレス方式>と、<小ロット連続精米方式>という、全く新しい2つの精米システムを実現したものだ。
 時代のニーズに対応した最新の精米システム、「LSPシステム」の導入を既に決定している大手米穀卸や、導入を検討している企業もあるという。今後、「LSPシステム」の普及・展開が注目される。
新潟ケンベイ 外観
新潟ケンベイ 外観
(2004.12.17)


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