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世界初のセンサーで 土壌診断が急旋回
《東京工科大・産総研・サカタのタネ》


 東京工科大学(相磯秀夫学長)、産業技術総合研究所(吉川弘之理事長)、サカタのタネ(高橋英夫社長)は3月23日、東京都千代田区のサンケイプラザで記者会見を行い、世界初の『土壌診断用バイオセンサー』を開発したと発表した。土壌診断が急旋回を迎える。
 開発において、東京工科大は実用化に向けたデータ収集と製品化研究を、産総研はバイオセンサーの基礎研究を、サカタのタネはバイオセンサーの農業分野への応用のため土壌微生物を活用した土壌の性質の定量化に関する考えを提案した。
 同センサーは、畑が病害に侵されているのかどうかを判定するのではなく、“この畑が病害に冒されやすい性質をもっているかどうか”といった、これまで予測不可能であった土壌がもつ病害に対する潜在的な特性を最先端のバイオセンサー技術を用いて測定する画期的な装置。

土壌診断用バイオセンサー
土壌診断用バイオセンサー
 現在、農業分野においてはバイオセンサー技術を用いた測定装置の導入はなく、同センサーにより土壌の生物学的診断が可能となったことは、土壌病害を早期に予防・防除していくために新たな道が開かれたことを意味している。
 測定方法は、測定対象となる畑の土を緩衝液で懸濁したサンプルに、あらかじめ善玉菌を付着させたセンサーと悪玉菌を付着させたセンサーの2種類のセンサーを浸ける。約30分後に、善玉菌側と悪玉菌側のどちらの数値が上がったのかがパソコン画面に表示される。
 そのデータを比較することにより、善玉菌と悪玉菌のどちらにとって住み心地がよい土なのかを数値化する。土壌病害が発生しやすい畑かどうかを事前に予測することが可能となるが、数値として土壌を診断できるメリットが大きい。
(2004.3.29)


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