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松枯れ防止セミナー 名古屋開催は11月17日
《ファイザー》

東京開催から(10月15日)
東京開催から(10月15日)
 ファイザー(株)(アラン・B・ブーツ社長、本社:東京都渋谷区)は、10月4日の仙台市での開催を皮切りに全国縦断の松枯れ防止セミナー『グリンガード技術講演会』を開催している。後援は、(財)日本緑化センター。これまでの延べ参加人数は約300名。
 現在、松枯れに関連した研究および防止対策は全国規模で進められているが、松島などの景勝地の松や、防風・砂防林としての松が松枯れの被害に直面していることも事実。本講習会はこの背景のもと、緑地管理者や造園業者などを主な対象に、松や松枯れについて正確に把握したうえ、その技術対策の知識や実態について理解を深めていくことを目指したもの。
 第20回を迎えた本年度の講習会では、講師に京都府立大学大学院の池田武文教授(49歳)を迎え、松や松枯れに大きな影響を与える松の水分生理の理解と、「マツ材線虫病」についての具体的なデータなどを紹介しながら、そのメカニズムを学んでいる。
池田武文教授
池田武文教授
 池田教授は、蒸発潜熱は葉や樹体の温度調節という大切な役割を果たしているなどとするなか、「樹木にとって大切な樹体内の移動を妨げるのは、水分通道組織のキャビテーション(空洞形成)とエンボリズム(塞栓症)であり、これは水不足や凍結・融解によって発生する。このキャビテーションのメカニズムは、まさにマツノザイセンチュウによるマツの枯死機構と共通するものだ」と結んでいる。
 一方、講習会参加者からは、「樹木の水分状態の判定や樹液上昇のメカニズムなどから、樹木の水分の流れがよく理解できた」(緑地管理者)、「今回の講習会により、水溶性の低いものよりも水溶性の高い薬剤の方が水の流れを阻害しないことが改めてわかった」(農薬メーカー)、「キャビテーションおよびエンボリズムと松枯れの発病などの関連性がはっきりした」(ゴルフ場関係者)などのコメントが主催者側に寄せられている。
 ファイザー(株)では、「これらの貴重な反響を礎に、今後の講習会をよりいっそう充実したものにさせていきたい」(プラントヘルス営業統括部)という。松を守る市民活動支援の「グリンガード・コミュニティ・プログラム」や「グリンガード線虫検査サービス」などへの期待も高い。
 なお、10月20日に予定されていた名古屋市での開催は台風の影響により順延となっている。時間・場所に変更はなく、11月17日(水)14時から愛知厚生年金会館B1「百合」で開催される。
 〈問い合わせ先〉 ファイザー(株)プラントへルス営業統括部 阪本 電話 (03)5309−7900
(2004.11.1)


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