クミアイ化学工業(株)(望月信彦社長=東京都台東区池之端1−4−26)は9月7日、懸案であった水稲用一発処理除草剤4製品の農薬登録を取得、平成13農薬年度から市場投入していく。特に”豆つぶ除草剤”は業界初のもので、一大旋風を巻き起こすのは必至。
このほど農薬登録を取得したのは、水稲用一発処理除草剤の『パットフルA250グラム』(製品名)、『パットフルL250グラム』(同)、『パットフルAジャンボ』(同)、『パットフルLジャンボ』(同)の4製品で、いずれも使い易さに大きな魅力がある。
|
”豆まき感覚”で散布 |
|
動力散布機による散布 |
先ず、「パットフル250グラム」から、その横顔を見ていきたい。”豆まき感覚、カンタン除草”として颯爽と登場した本剤は、粒径5mmの豆つぶ剤で、この分野で業界初のもの。10a当たりの使用量が250gと少量、省力型の画期的な水田除草剤として注目したい。
その作用を見ると、豆つぶが水面に浮遊しながら速やかに崩壊、分散して拡散するもので、安定した効果が期待できる。有効成分のオキサジクロメホン(JA全農とアベンティス クロップサイエンス ジャパン(株)の共同開発)と自社開発のピリミノバックメチルの作用により、ノビエに安定した効果と残効性を有していることも特筆したい。
さらに作業面では、豆つぶを手ですくい取り(ゴム手袋着用)、投げ入れるだけで簡単に、思い通りに散布ができる他、大型水田では動力散布機により、水田に入らず畦畔からの散布が可能となった。
”豆つぶ剤”は、クミアイ化学工業(株)独自の製剤であり、市場が求めている軽量、少量、簡便、安全性と環境問題に対応できる製剤に仕上がっている。本剤は、現行の粒剤、フロアブル剤の特徴を兼ね備えており、普及方針を「両剤の市場をターゲットにして、豆つぶ剤の特性と使い方を啓蒙しながら普及基盤を固めたい」(同社技術普及課)、としている。
特に手まき散布、動力散布については新しい散布方法であるため、現地での散布実演、散布指導を徹底しながら使用方法の確立を急ぐことにしている。
|
畦畔からパックを投げ入れる |
|
豆つぶが水面に浮遊して拡散 |
次に、「パットフルジャンボ」について。”豆つぶが、パット拡がるジャンボ剤”として登場した本剤は、水面浮遊、自己拡散型の豆つぶ剤を水溶性フィルムに包みパック化したジャンボ剤である。パックからの溶け出しが極めて速く、水中拡散性に優れ、安定した効果を発揮する。
また、有効成分のオキサジクロメホンとピリミノバックメチルの作用により、ノビエに安定した効果と残効性を有している他、畦畔からパックを投げ入れるだけで、ドリフトの心配がなく安心して使用できるメリットがある。
普及方針として、本剤は豆つぶが水面に浮遊して拡散する”豆つぶ剤”をパック化したジャンボ剤であり、オキサジクロメホンとピリミノバックメチルの作用により、ノビエに安定した効果と残効性を有しており、技術普及課では「現行のジャンボ剤の市場をターゲットにして、普及基盤の早期確立をはかりたい」、としている。
パットフルA250グラム
作
物
名
|
適用雑草名 |
使用時期 |
適用土壌 |
10a
当たり
使用量 |
総使用回数 |
使用方法 |
適用
地帯 |
移
植
水
稲 |
水田一年生雑草及びマツバイ |
移植後5〜15日
(ノビエ2葉期まで) |
壌土〜埴土
(減水深2cm/日以下。但し、壌土は1.5cm/日以下)
|
250g |
本剤のみ:1回
アジムスルフロン剤
:1回
オキサジクロメホン剤
:1回
ピリミノバックメチル剤
:1回
ベンスルフロンメチル剤
:2回以内 |
湛水散布
または
湛水周縁散布 |
北海道 |
ホタルイ |
ウリカワ |
ミズガヤツリ(東北) |
ヘラオモダカ |
埴壌土〜埴土
(減水深1.5cm /日
以下) |
東北 |
ヒルムシロ |
セリ |
アオミドロ |
藻類による表層はく離(北海道) |
パットフルL250グラム
作
物
名 |
適用雑草名 |
使用時期 |
適用土壌 |
10a
当たり
使用量 |
総使用回数 |
使用方法 |
適用地帯 |
移
植
水
稲 |
水田一年生雑草及びマツバイ |
移植後5〜12日(ノビエ2葉期まで) |
壌土〜埴土 (減水深1.5cm/日以下) |
250g |
本剤のみ:1回
オキサジクロメホン剤
:1回
ピリミノバックメチル剤
:1回
ベンスルフロンメチル剤
:2回以内 |
湛水散布
または
湛水周縁散布 |
北陸 |
ホタルイ |
砂壌土〜埴土
(減水深2cm /日
以下) |
関東・東山・東海の普通期栽培地帯 |
ウリカワ(北陸、関東・東山・東海) |
ミズガヤツリ |
ヒルムシロ(関東・東山・東海) |
セリ(北陸を除く) |
壌土〜埴土
(減水深1cm /日
以下) |
近畿・中国・四国の普通期栽培地帯 |
アオミドロ |
藻類による表層はく離 |
(近畿・中国・四国) |
パットフルAジャンボ
作物名 |
適用雑草名 |
使用時期 |
適用土壌 |
10a
当たり
使用量 |
総使用回数 |
使用方法 |
適用地帯 |
移植水稲 |
水田一年生雑草及びマツバイ |
移植後5〜15日(ノビエ2葉期まで) |
壌土〜埴土
(減水深1.5cm/日
以下) |
小包装
(1パック)
10個
(250g) |
本剤のみ:1回
アジムスルフロン剤
:1回
オキサジクロメホン剤
:1回
ピリミノバックメチル剤
:1回
ベンスルフロンメチル剤
:2回以内 |
水田に小包装(パック)のまま投げ入れる |
北海道 |
ホタルイ |
ウリカワ |
ミズガヤツリ(東北) |
ヘラオモダカ |
埴壌土〜埴土
(減水深1.5cm/日
以下) |
東北 |
ヒルムシロ(北海道) |
セリ(北海道) |
アオミドロ |
藻類による表層はく離(北海道) |
パットフルLジャンボ
作
物
名 |
適用雑草名 |
使用時期 |
適用土壌 |
10a
当たり
使用量 |
総使用回数 |
使用方法 |
適用地帯 |
移
植
水
稲 |
水田一年生雑草及びマツバイ |
移植後5〜12日(ノビエ2葉期まで) |
壌土〜埴土
(減水深1.5cm/日
以下) |
小包装 (1パック)
10個
(250g) |
本剤のみ:1回
オキサジクロメホン剤
:1回
ピリミノバックメチル剤
:1回
ベンスルフロンメチル剤
:2回以内 |
水田に小包装(パック)のまま投げ入れる |
北陸 |
ホタルイ |
壌土〜埴土
(減水深1cm/日
以下) |
関東・東山・東海・近畿・中国・四国の普通期栽培地帯 |
ウリカワ |
ミズガヤツリ |
ヒルムシロ(関東・東山・東海、九州) |
セリ(北陸を除く) |
アオミドロ |
砂壌土〜埴土
(減水深1.5cm/日
以下) |
近畿・中国・四国の普通期栽培地帯 |
藻類による表層はく離(関東・東山・東海、近畿・中国・四国) |
|