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”投げ込み用”の水稲用一発除草剤  「非SU型」のサムライジャンボ
−日本農薬−


 かねてより、農薬登録の申請を行っていた”投げ込み用”の水稲用一発型除草剤『サムライジャンボ』(試験名=MY−100MSジャンボ)が、平成12年9月7日付けで農薬登録となった。本剤はJA全農、アベンティス クロップサイエンス ジャパン(株)及び日本農薬(株)が共同開発した水稲用除草剤。先行ジャンボ剤にどう挑み、この分野の市場をどれだけ拡げるかが注目される。

 『サムライジャンボ』は、拡散性の優れる粒剤を水溶性フィルムでパックした期待のジャンボ製剤であり、オキサジクロメホン(MY−100)、ブロモブチド(S−47)、ベンゾフェナップ(MY−71)の3種混合剤として登場した。
 水稲の移植3日後からノビエ1・5葉期までの処理で、ノビエをはじめとする一年生雑草からウリカワ、ミズガヤツリまで幅広い雑草に安定した効果を示す一発型除草剤としての高い評価を受けている。特に、最近各地で問題化しているアゼナ類、ミズアオイ、ホタルイにも有効な「非SU型」の除草剤である。

 平成13農薬年度から市場展開される『サムライジャンボ』は、日本農薬(株)1社のみが系統、商系の両ルートを通じて販売が行われるもので、「効果と経済性を両立させた水稲用除草剤として全国で普及推進活動を展開したい」(同社開発普及部)、としている。

 なお、オキサジクロメホンはJA全農とアベンティス クロップサイエンス ジャパン(株)、ブロモブチドは住友化学(株)、ベンゾフェナップはアベンティス クロップサイエンス ジャパン(株)が開発した化合物。

適用雑草と使用方法



適用雑草名 使用時期 適用土壌 10a当り
使用量
本剤のみを使用する場合の使用回数 使用方法 適用地帯



水田一年生雑草及び
マツバイ
ホタルイ
ウリカワ(東北、関東・東山・東海を除く)
ミズガヤツリ(北陸、近畿・中国・四国、九州)
    
移植後3〜10日(ノビエ1.5葉期まで)     埴壌土〜埴土
(減水深1.5cm/日以下)
小包装
(1パック)10個
(500g)
    
1回     水田に
小包装 (パック)のまま
投げ入れる
    
北海道
埴壌土〜埴土
(減水深1cm/日以下)
東北
壌土〜埴土
(減水深1.5cm/日以下)
北陸
壌土〜埴土
(減水深1cm/日以下)
関東・東山・東海、
近畿・中国・四国の
普通期栽培地帯
砂壌土〜埴土
(減水深2cm/日以下、但し砂壌土は減水深1.5cm/日以下)
九州の
普通期栽培地帯





 【解説】  現在、ジャンボ剤の市場は約20万5000ヘクタール(平成12年6月末)となっている。1998年に約12万ヘクタールへ伸長したのは、明らかにクサトリエースの登場であり、その後テクノスター、ナイスショット、ネビロスの各ジャンボ剤がつづいた。市場にある9剤のうちこの4剤が主流と見られる。
 このうち、「SU型」のクサトリエース、テクノスター、ネビロスの3剤でジャンボ剤市場の約90%(18万ヘクタール強)を占めているが、今後のジャンボ剤市場の拡大に向けては、「非SU型」ジャンボ剤の 動向が注目される。

 日本農薬(株)の『サムライジャンボ』は、この先行剤に対して「非SU型」のジャンボ剤に位置付けられ、最近問題となっているアゼナ類、ミズアオイ、ホタルイなどに対して極めて有効であり、大きな期待が寄せられている。
 さらに、主に省力化を狙い開発されてきたジャンボ剤であるが、日植調の委託試験のうちの約40%がジャンボ剤である今日的現象も見逃せない。この中で、ジャンボ剤を開発していくに当たっては、初期剤あるいは中期剤のジャンボ剤の充実が重要であり、「製造コスト」や「取りこぼしのない除草」のためにも、そのバリエーション化が望まれる、というのが本紙の見解。



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