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野菜の灰色かび病に高い予防効果
新規殺菌剤『ジャストミート顆粒水和剤』を新発売
−日本バイエルアグロケム・ノバルティス アグロ−


 日本バイエルアグロケム(株)(ローレンス・ユー社長、本社=東京都港区)とノバルティス アグロ(株)(デニス・ターディ社長、本社=東京都港区)は、それぞれ平成12年9月25日及び平成12年10月1日に野菜の灰色かび病に高い予防効果を示す新規殺菌剤『ジャストミート顆粒水和剤』を新発売する。

 『ジャストミート顆粒水和剤』は、バイエル社開発のヒドロキシアニリド系化合物のフェンヘキサミド、およびノバルティス社開発のフェニルピロール系化合物のフルジオキソニルという2つの有効成分を組み合わせた新規殺菌剤。
 本年8月17日付けで、なす、トマト、きゅうり、いちご、たまねぎの灰色かび病に対して農林水産省の農薬登録を取得していたもので、大きく成長する殺菌剤として早くからその登場が待たれていた。

 本剤の特徴を見ると、野菜類の灰色かび病菌は薬剤耐性を生じやすい病原菌であるため、当初から全く作用性の異なる2つの有効成分を混合したところにある。これにより『ジャストミート顆粒水和剤』はベンズイミダゾール系薬剤耐性菌、ジカルボキシイミド系薬剤耐性菌、N‐フェニルカーバメート薬剤耐性菌など既存の灰色かび病防除薬剤に対する耐性菌にも極めて高い効果を示す。

 さらに、『ジャストミート顆粒水和剤』はミツバチ、マルハナバチなどの有用昆虫に対して安全性の高い薬剤であるため、農家がハウス栽培でハチを使う場合にも安心して使用できる魅力がある。この意味では、最近有望視されている「IPM」(総合的病害虫管理)に対応する薬剤としても注目したい。また、扱いやすい顆粒水和剤であるため、薬剤調製時の粉立ちが少なく、使用者に対する安全性の高い薬剤として仕上がっていることも指摘しておきたい。

 灰色かび病は、低温条件下でも十分な感染能力を示すため、特に冬季のハウス栽培では重要病害の一つに挙げられている。これらの特性から、「『ジャストミート顆粒水和剤』は灰色かび病の発生に手を焼いている”プロの農家”から高い評価が得られるものと期待」(日本バイエルアグロケム(株)マーケティング本部、広報・販売推進グループ)している。

解説】 『ジャストミート顆粒水和剤』は、当初から全く作用性の異なる2つの有効成分をほどよく混合しているところに最大の魅力がある。これにより、既存の灰色かび病防除薬剤に対する耐性菌にも高い効果を示す点を強調しておきたい。
 また、本剤はミツバチ、マルハナバチなどの有用昆虫に対して安全性の高い薬剤であるため、ハウス内でハチを利用する場合にも安心して使用できることにも注目したい。「IPM」といった時代の要請に大きく対応していることのメリットは極めて大きい。

 『ジャストミート顆粒水和剤』の、今回の農薬登録における適用作物は、なす、トマト、きゅうり、いちご、たまねぎとなっているが、今後は「花」への適用拡大も期待されている。
 本剤の先行剤としては、「スミブレンド水和剤」、「ゲッター水和剤」、「フルピカフロアブル」、「セイビアーフロアブル」等が挙げられ、市場は約20億円強(『農薬要覧』・1999年版)となっている。日本バイエルアグロケム(株)では顆粒水和剤の優れた特性を前面に押し出し、「プロの野菜作り農家を中心に、本剤を本格派の病害を抑える薬剤に位置付け、地道な普及展開をはかっていく」(同社マーケティング本部)、としている。このようなことから、両社では数年後の販売目標を市場の約25%としている。

 さらに、流通面にも注目しておきたい。日本バイエルアグロケム(株)は「バイエル会」(約120社)ルートで販売展開されるが、ノバルティス アグロ(株)はJA全農への直接販売が有り、これも注目しておきたいところだ。





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