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新規の微生物殺虫剤『バータレック』 天敵・バイオ農薬事業を拡充・強化
−トーメン−


 (株)トーメン(東京都千代田区丸の内3−8−1)では、この10月から新規バイオ農薬『バータレック』(製品名)を市場投入したが、上々の滑り出しを見せたようだ。本製品は、施設園芸用の微生物殺虫剤としては同社初の製品に位置付られる期待の一剤。

 『バータレック』は、アブラムシ類の害虫に対して、有効成分である糸状菌バーティシリウム・レカニ菌により駆除するものとして登場し、適用はキュウリのワタアブラムシ、ナス、ピーマンのアブラムシ類となっており、散布については施設内に限定されている。

 バーティシリウム・レカニ菌は、主に昆虫類に寄生する菌で、高い湿度の中で働きが良くなって防除効果が高まる特長が有り、まさに施設園芸向けの商品と言える。散布後2週間で感染虫が白い菌糸で覆われるため、駆除の効果が目に見えてわかることが大きな魅力。

バーティシリウム・レカニに
感染したアブラムシ

 害虫であるアブラムシは、葉茎の栄養分を吸汁して害を及ぼすほか、甘露を排泄して果実に汚れをつけ商品化の妨げとなる。『バータレック』は、トーメンにとって「ボトキラー」、「クオーク」、「バイオキーパー」に続く第4弾のバイオ農薬になるが、施設園芸用の微生物殺虫剤では初の取り組みであり、今後の展開が注目される。

 一方、今春のトーメンの天敵・バイオ農薬の売上高は前年比20%増で推移している。最近では、高知県においてマルハナバチ使用のナス生産農家が急増しており、それに伴いアザミウマ類の天敵である「ククメリス」の使用も同様に著しい伸長を見せている。
 また、本年7月には新JAS法が施行され、有機農産物の栽培が難しくなっているが、天敵・バイオ農薬は新JAS法での農薬散布回数にカウントされないため、これらの農産物生産には非常に適しており、今後は、一層の〃追い風〃が期待されている。

 こと生物農薬事業において、独自のスタイルで事業展開をはかっているトーメンだが、現在2種類の授粉促進昆虫マルハナバチ、7種類の天敵農薬、さらに3種類の微生物農薬(BT剤を含む)とラインアップをはかっており、広くIPM(総合的病害虫管理)に挑むトーメンの地道な姿勢を高く評価したい。

 《問い合わせ先》 (株)トーメン アグロフロンティア室まで。電話(03)5288−3292




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