八洲化学工業(株)(淺山哲夫社長=川崎市高津区二子6−14−10)では、本年度より育苗箱施用薬剤『ウィンアドマイヤーグレータム箱粒剤』の本格的な普及推進に入っている。
本剤は、育苗箱施用でいもち病・紋枯病・イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、ウンカ、ヨコバイ類を長期間抑え、本田防除回数の削減を可能にしたもので、新しい農作業大系を作る期待の一剤として注目されている。
『ウィンアドマイヤーグレータム箱粒剤』の特長を見ていくと、まず、いもち病防除剤「ウィン」と紋枯病防除剤「グレータム」及び殺虫剤「アドマイヤー」との混合剤で、育苗箱施用1回で水稲の重要病害虫の同時防除を可能にしたことが挙げられる。
ウィン(有効成分=カルプロパミド)は、いもち病菌の稲体への侵入を低濃度で強く抑制し、葉いもちはもとより穂いもちに対する効果も保有している。またグレータム(同=チフルザミド)は、担子菌類に活性を示し、なかでもいね紋枯病菌が属するリゾクトニア属菌に広く卓効を示す。さらにアドマイヤー(同=イミダクロプリド)は、水稲初期害虫のイネミズゾウムシ、イネドロオイムシはもとより、後期のウンカ・ヨコバイ類にも有効な薬剤だ。
次に、有用昆虫や魚介類に対する影響が少ない薬剤となっている他、育苗箱施用という処理方法のため、単位面積当たりの処理薬量が少なく、周辺環境への影響が少ない薬剤として定評がある。本年度の普及推進に期待したい。
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