ノバルティス アグロ(株)(デニス・ターディ社長、本社=東京都港区)は5月14日、4月27日付けで農薬登録を取得した、新規の茎葉処理除草剤『レビンGTフロアブル』(一般名=グリホサートイソプロピルアミン塩・ブタフェナシル水和剤)について、同社及び(株)トモノアグリカを通じて、5月下旬から発売していくと発表した。
本剤は、スイス・ノバルティス社が開発した新規有効成分のブタヘェナシルを主成分とし、その性能を最大限に発揮させるため、グリホサートイソプロピルアミン塩を補完的にバランス良く配合した、全く新しい接触型の非選択性茎葉処理除草剤として登場した。
『レビンGTフロアブル』の主成分であるブタフェナシルは、主に植物体内の葉緑体部分に作用し、高等植物特有の葉緑素生合成経路を阻害し、細胞内部にプロトポルフィリン\という物質を蓄積させる。この物質に光が当たると過酸化反応が起こり、植物体内部から植物組織を酸化破壊し、対象雑草を枯死させる。
本剤の特長を見ると、春期処理では40〜60日間、夏期処理では30〜40日間と、極めて長い抑草期間を示すことが挙げられる。また、春期は処理3〜5日後、夏期は処理1〜3日後と、速い効き始めを示すほか、早春期や秋冬期などの比較的低温な時期でも安定した速効性を示すことが指摘できる。さらに、一般的な雑草はもとより、スベリヒユ、ギシギシ、マルバツユクサ、ノボロギク、エノキグサなど各地で問題となっている雑草に対しても卓越した効果を示す点が挙げられる。
『レビンGTフロアブル』は、使用者や環境に対する安全性が高いだけでなく、果樹作物に対しても土壌を介した薬害の心配が少なく安全に使用できる(人畜毒性:普通物、魚毒性:B類相当)。加えて、取り扱いが簡単なフロアブルとして製剤化している点も魅力となっている。これらの安全性や製品特性を活かして、同社では「果樹園の下草及び非農耕地での雑草の管理を中心に普及していきたい」、としている。
販売は、5月下旬から、ノバルティス アグロ(株)、(株)トモノアグリカを通じて行われる。将来的には、茎葉処理除草剤市場の約10%規模(本紙推定で約30億円)の商品に育てたい意向。
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