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炭そ病・うどんこ病予防に『バイオトラスト水和剤』 ― 出光興産 ― |
本剤は、栃木県農業試験場と共同開発した微生物菌株を応用し、科学技術振興事業団の委託を受けて開発が進められてきたもので、自然界に存在する菌を利用しており、安全性・環境性に極めて優れ、効果が長期間持続するという特徴を有している。 『バイオトラスト水和剤』の特徴は、先ず、栃木農試と共同開発した「タラロマイセス フラバス菌」という自然界に存在する糸状菌の一種を使用しており、極めて安全性・環境性に優れている点が挙げられる。 また、植物組織全体に住み着いて炭そ病・うどんこ病等の病原菌の生息場所や餌を先に奪う拮抗作用、および病原菌に寄生することで直接相手を弱らせる菌寄生作用を有していることから、「待ち伏せて、食べる」という全く新しい作用を示す点が特筆できる。 さらに、菌が長期間にわたり植物組織全体に住み着くことから、効果の持続性に優れることが指摘できる他、新JAS法に定める有機農産物生産に使用できる、ミツバチや天敵昆虫への影響がない、微粉末状の水和剤であるため非常に使い易い、保存性に優れているため室温で保存できる、などが魅力となっている。 出光興産(株)は、独自に蓄積した微生物技術を最大限活かし、「環境保全型農業の提案」をコンセプトに微生物を利用した土壌改良材『Drキンコン』(平成4年)、同社初の微生物農薬『ボトキラー水和剤』(同11年)を手掛け、この分野での経験を蓄積している。 販売は、全国の農協及び農薬取扱店経由となっているが、今後の展開として、初年度は「イチゴにおいてキメ細かな技術普及を実施し」3億円を、5年後(平成18年)はキュウリのうどんこ病、お茶の炭そ病など、順次対象作物の拡大をはかり10億円の売上を目指している。
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農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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