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アグリビジネス話題の製品

省力・経済的な殺虫剤「ガゼット」
品揃え及び適用拡大が進む

― 日産化学工業 ―

ガゼット粒剤
ガゼット粒剤
ガゼットMCフロアブル
ガゼット用散粒器
ガゼット
MCフロアブル
ガゼット用散粒器

 米国FMC社(本社:シカゴ)が開発し日産化学工業(株)(本社:東京都千代田区)が製造・販売している浸透移行性殺虫剤『ガゼット粒剤』(有効成分=カルボスルファン)は、作業の省力化及び経済的防除に貢献することから、好評を博している。
 『ガゼット粒剤』の前身である1983年(昭和58年)3月に農薬登録を取得した『アドバンテージ粒剤』は、カルボスルファンを5%含有している。まもなく20周年を迎えようとしているが、今日においてもさとうきび分野等で根強い人気を誇る。
 1989年(平成元年)10月に農薬登録を取得した『ガゼット粒剤』は、『アドバンテージ粒剤』の有効成分であるカルボスルファンのコンテントを5%から3%に低減したもの。両剤とも粒剤だが、製剤に若干の違いが見られ、有効成分をより一層効率的に使用できるようにしたのが『ガゼット粒剤』だ。
 本剤の特長を見ていくと、先ず鞘翅目、半翅目、双翅目、鱗翅目、アザミウマ目などの幅広い害虫に優れた効果を発揮する点が挙げられる。水稲の初期害虫や野菜類の主要害虫を幅広く防除できるメリットは極めて大きい。
 水稲のイネミズゾウムシをはじめ、アブラナ科野菜、果菜類、根菜類の害虫に対しても効果を発揮する。
 さらに、かんしょのコガネムシ類幼虫、さとうきびのハリガネムシなどの防除の困難な土壌害虫にすぐれた効果を示す魅力も見逃せない。
 その他、土壌散布により速やかに植物に吸収され、薬剤のかかりにくい部分でも十分な効果を発揮し(すぐれた浸透移行性)、定植後の初期害虫を防除することが特長として挙げられる。
 このような特長を兼ね備えた『ガゼット粒剤』だが、「ガゼット用散粒器」も普及販売に向け大きな推進力となっている。水稲の育苗箱やキャベツ、はくさいなどの育苗トレイ等に最適で、均一散布および省力化に貢献している。
 もう1つ指摘しておきたいことは、平成13農薬年度より新発売された『ガゼットMCフロアブル』において、このほどキャベツのコナガ、アオムシ、ねぎのネギアザミウマで適用拡大されたこと。
ガゼット用散粒器による処理
ガゼット用散粒器による処理
 本剤は、マイクロカプセルにすることでより安全性を高め、茎葉散布にも使用でき、作物の生育期の害虫防除が可能になった。今回の適用拡大の最大のポイントは、ねぎのネギアザミウマが既存の薬剤に対して感受性が落ちていることから、有力視したい話題のひとつ。
 現在、『ガゼット粒剤』は日産化学工業(株)の主力品の1つに成長しているが、競合大型剤に押されていることも事実。この中で、同社では高い防除効果に代表される優れた特長はもちろんのこと、省力・経済的防除など本剤が持つ魅力を前面に出し、またマイクロカプセルに見られる品揃え、さらに適用拡大を重ねながら、幅広い農家ニーズに対応していく意向だ。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)