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アグリビジネス話題の製品

野菜用の新規殺虫剤『ハチハチ乳剤』を上市
―三菱化学/大塚化学 ―

ハチハチ乳剤

 三菱化学(株)(正野寛治社長、本社:東京都千代田区)と大塚化学(株)(大塚雄二郎社長、本社:大阪市中央区)は5月1日、三菱化学(株)本社において記者会見を行い、両社で共同開発を進めていた野菜用の新規殺虫剤『ハチハチ乳剤』の上市を発表した。
 4月24日付けで農薬登録を取得し、大塚化学(株)取扱い(系統・商系の2元)の新規製品『ハチハチ乳剤』(一般名=トルフェンピラド)は、まさに両社の開発意欲の結晶であり、かつ両社にとってこの分野にこれまで培ってきた豊富な経験及び強味を呼び起こす起爆剤となる。
 『ハチハチ乳剤』は、三菱化学(株)が発明した新規化合物「トルフェンピラド」を15%含有した野菜用の新規殺虫剤であり、キャベツ、白菜、きゅうり等の作物害虫であるコナガ、アオムシ、アブラムシ類などに対し、より優れた防除効果を発揮する。
神山洋一三菱化学(株)生物化学品事業部長(右)と今村義昭大塚化学(株)農薬肥料部長
神山洋一三菱化学(株)生物化学品事業部長(右)と今村義昭大塚化学(株)農薬肥料部長
 また、極めて広範な殺虫スペクトルを有することから上記害虫の他にも幅広い種類の害虫に防除効果を示すこと、殺虫作用に加えて食害抑制作用を示すこと、など従来の殺虫剤に比較して多様な性能が確認されており、これらの性能によって「わが国の農業生産現場において大きな貢献を果たすものと期待している」(神山洋一三菱化学(株)生物化学品事業部長)とした。
 本剤の製造・販売においては、三菱化学(株)が原体を製造(黒崎工場)し大塚化学(株)に供給、同社が製剤化(鳴門工場)及び販売を手掛ける。「当社にとって久々の大型剤であり、全社員挙げて精力的に取り組みたい」(今村義昭大塚化学(株)農薬肥料部長)、と力強く抱負を語っている。なお、海外展開についても、現在検討されている。
 『ハチハチ乳剤』の周辺においては、特にフロアブル剤への剤型の拡大(主に果樹用)、さらに適用作物・害虫の拡大が期待されている。作物では、だいこん、茶、なし、カンキツ等が先行する模様。両社では、きめ細かな技術普及を行うことで、3年後には約40億円の市場に持っていきたい意向だ。
三菱化学・農薬種別のウエート
三菱化学・農薬売上高の推移


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)