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分析作業の低コスト・省力化を実現
新開発のガスクロ用大量注入口装置 「ラヴィストマ」

― (財)雑賀技術研究所 ―

ラビストマ注入口
ラビストマ注入口
  生産履歴や商品内容表示の明確化が強く求められている昨今、水や大気の環境、食品や薬品の成分、多様な製品・食品の残留物質など、さまざまな状況、分野での分析検査の必要性が増大してきている。
 これらの化学分析に欠かせないのが、ガスクロマトグラフィ(ガスクロ)という分析方法と装置だ。これは予め前処理した試料をガスクロに注入、ガス化させてその成分を検知(定性・定量)する方法である。
 ガスクロに注入する試料は、基本的には多い方が感度がよくなり分析データの信頼性も上がり、サンプルの前処理作業も簡略化され、分析作業に要する時間・費用が少なくてすむ。
ラビストマコントローラ
ラビストマコントローラ
 例えば環境分析としての排水中のダイオキシン検知では、従来の方法では、採取サンプル量10リットル必要で前処理にも時間をかけ、ガスクロに注入する試料は1マイクロリットル(100万分の1リットル)であった。しかし、大量注入法を用いれば、採取サンプルは、わずか0.2リットルで前処理も短時間で済み、その上50マイクロリットルの試料が注入できる。
 この程開発された大量注入法とその装置を用いることで、低コストで省時間、しかも簡便で分析値の信頼性も大きく向上する。(財)雑賀技術研究所では、日常の分析作業からこの点に着目し、独自の技術でこの画期的な方法と装置「ラヴィストマ」を完成させた。
 「ラヴィストマ」の名称は、Large Volume Injection(大量注入)と注入口を構成するライナー部分の形が胃袋に似ていることから、stomach(胃)を組み合わせた造語。
 価格は1セット280万円で11月1日より全国販売される。販売は(株)エミネット(和歌山市黒田422 TEL 073-473-6678)が担当するが初年度50セットの販売を予定している。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)