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長期持続型いもち剤 ブイゲットを市場投入
―日本農薬―

 日本農薬(株)(大内脩吉社長、本社:東京都中央区)は5月8日、本社会議室において記者会見を行い、自社独自開発の長期持続型いもち剤「ブイゲット」の5月からの市場投入を明らかにした。「病害抵抗性誘導」型の新剤として、大きな期待が寄せられている。
 席上、大内社長は販売競争の激化など業界の課題を語るなか、「弊社が、これまで蓄積してきた研究開発力をコア事業に集中し、研究開発型企業として新製品の早期開発に取り組んできた」とし、今回の「ブイゲット」にかける意気込みを披露した。
 2003年4月11日付けで農薬登録を取得し、本年度市場投入された「ブイゲット」には、『ブイゲット粒剤』(チアジニル粒剤、販売・日本農薬(株))、『ブイゲットプリンス粒剤10』(フィプロニル・チアジニル粒剤、同・日本農薬(株))、『ブイゲットアドマイヤー粒剤』(イミダクロプリド・チアジニル粒剤、同・クミアイ化学工業(株)、日本農薬(株)の2社)の3剤。
葉いもち防除剤の変遷と市場規模
葉いもち防除剤の変遷と市場規模
 「ブイゲット」は、いもち病菌に対して直接の抗菌活性は示さないが、イネが本来持っている病害防御機能を高めることで、いもち病に対する抵抗力を持たせる(病害抵抗性誘導)といったユニークで新しい作用性をもっている。また、従来のいもち剤に対して感受性の低下したいもち病菌に対しても高い効果をもっている。
 多くの病害虫・雑草防除はもちろんだが、特にいもち病防除に強みを持つ日本農薬(株)は、今後も、他の原体および販売メーカーとともにキメ細かな技術普及を展開し、2006年の売上高約40〜50億円を目指していく。
いもち病の発生面積の推移といもち防除の必要性
いもち病の発生面積の推移といもち防除の必要性
 【解説】「ブイゲット」は、研究開発型企業を目指している日本農薬(株)にとって追い風になる久々の大型剤。これまでの、フジワン、アプロード、モンカット、ダニトロン、エコパートに加え、自社独自開発品では6番目となり、さらに旧三菱化学(株)の原体を加えると11原体目となる。さらに、現在、主に半翅目害虫を対象に「NNI−0001」などを開発中であり、大型の殺虫剤として期待されている。
 「ブイゲット」は、その作用性としてイネが本来持っている病害防御機能を高めるもので、「オリゼメート」(プロベナゾール)、「バイオン」(アシベンゾラルSメチル)に続く「病害抵抗性誘導」型の第3弾。そのユニークな作用性が魅力となっている。さらに、散布適期幅の広さから、大きく成長する可能性を多分に秘めている。

(2003.5.13)
『ブイゲット粒剤』
『ブイゲットプリンス粒剤10』
『ブイゲットアドマイヤー粒剤』
『ブイゲット粒剤』
『ブイゲットプリンス粒剤10』 『ブイゲットアドマイヤー粒剤』

 

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