住化武田農薬(株)(生津嘉朗社長、本社:東京都中央区)の、「ブラシン」(有効成分:フェリムゾン・フサライド)は、上市11年目を迎えたが他に全く類を見ないユニークな作用性を持つ稲用病害防除剤として稲作生産農家の間で好評を博している。
「ブラシン」には、地上散布剤として単剤、殺虫剤や紋枯病防除剤との混合剤が21剤、さらに空中散布剤として3剤の計24剤が登録されており、現場ニーズに即した薬剤、散布方法を選択でき、全国各地の防除暦等にいもち病をはじめ総合仕上げ剤として採用、指導され、その分野のトップクラスのシェアを占めている。
「ブラシン」は、(1)いもち病をはじめ、ごま葉枯病や各種穂枯性病害から細菌性病害まで幅広い抗菌スペクトラムを持つこと、(2)稲の最重要病害いもち病に強力な治療効果と予防効果を併せ持ち適期幅の広い薬剤であること、(3)浸透移行性に優れ速やかにイネ体内にゆきわたって効果を発揮すること、(4)耐雨性に優れ降雨の合間の散布でも卓越した効果を示すこと、(5)さらに籾枯細菌病・内穎褐変病・褐条病などのバクテリア(細菌)病害にも有効であること、などの優れた特長をもっている。
有効成分の一つであるフェリムゾンの作用機構は、いもち病菌糸の細胞膜に作用して、その機能に影響をおよぼし、菌糸生育を阻害するものと考えられ、さらにその防除効果はイネ自体の防御反応が深く関わっていると考えられている。
近年、特にイネ病害の発生を予測することは、防除を的確に行うためにも、またコスト削減を目指すためにも大変重要となっている。このような中、アメダスデータに基づき、葉いもち感染好的条件を算出・判定する予察技術が実用化され普及・定着している。「ブラシン」は、この発生予察技術にもっとも合致した病害防除剤であることが多くの試験で確認され、発売当初から”アメダスの恋人”をキャッチコピーに、大いに普及PRされている。
なお、「ブラシン」には、姉妹品として長年にわたり広く愛用され親しまれているトリシクラゾール(商品名:ビーム)とフェリムゾンの混合剤「ノンブラス」と、その各種混合剤が8剤あり、系統一元供給品として販売されている。
(2003.7.25)