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さらに適用病害拡大『バリダシン液剤5』 細菌性病害13作物16病害にも登録
―住化武田農薬―

バリダシン液剤写真
 住化武田農薬(株)(生津嘉朗社長、本社:東京都中央区)が研究開発した農業用抗生物質「バリダマイシンA」を有効成分とした『バリダシン液剤5』(以下、バリダシン)は、1972年の上市以来30有余年の歴史を誇り、この間、適時に適用作物・病害を拡大し、農家からの信頼を着実に獲得してきた。
 本剤の特長は「21世紀の環境保全型農業にふさわしく、作物・人畜・環境に対する影響が極めて少ない防除剤であること」、「いね紋枯病をはじめリゾクトニア菌や白絹病菌などの糸状菌(かび)病害に優れた効果を発揮し、さらに果樹・野菜・いね等の細菌性病害にも有効で、登録を順次拡大していること」に集約される。
 1989年、バリダシンのユニークな作用機構の一つが解明され、本剤の大きな転機を迎えることとなる。
 それが、細菌性病害への展望であり、これに焦点をあてた基礎研究の成果としてシュードモナス属菌、エルビニア属菌、キサントモナス属菌の増殖を著しく抑制し、発病を抑えることが判明したのである。
 その後1996年に細菌性病害として初めてキャベツ黒腐病に登録を取得し、以後レタス腐敗病、はくさい軟腐病、にんにく春腐病、たまねぎ腐敗病といった野菜5作物の細菌性病害に順次適用拡大した。2000年にはももせん孔細菌病、かんきつかいよう病の果樹細菌性病害にも登録を取得した。
 さらに、翌年の2001年には難防除病害「なす青枯病」に生育期茎葉散布剤としてはじめて登録を取得し、以後更にキャベツ軟腐病、レタス軟腐病、だいず・えだまめ葉焼病、いちご角斑細菌病、ばれいしょ青枯病、いね籾枯細菌病に登録を拡大し、リゾクトニア属菌などの糸状菌病害ばかりではなく、細菌性病害防除剤としても広く認知されてきた。
もも せん孔細菌病

もも せん孔細菌病

  最近では、本年7月、「たまねぎ軟腐病」に適用拡大し、同社では今後も園芸分野を中心に細菌性病害対象の適用拡大をはかっていくことにしている。本剤の使用に当たっては「病原細菌量の少ない早めの防除」や「作用性の異なる他薬剤とのローテーション散布」を行うことで、より効果的に使用できる。
 当初、バリダシンは、いね紋枯病の薬剤として開発されたが、その作用性は菌糸の生育を停滞させ、病原性を喪失させるなど、特異な作用を示す。圃場においては、特に病勢の進展を阻止する効果が強く、多発条件下でも的確な効果を発揮する。
キャベツ軟腐病
キャベツ軟腐病
 

また、いねにいつ散布しても稔実障害・減収などの悪影響を及ぼすことがなく、病害の上位進展の状況に合わせ、第3葉鞘より上位に進展させないよう、十分に引きつけて的確に防除することが可能な薬剤として、単剤や各種の混合剤として指導・使用されている。
 いね紋枯病以外の糸状菌病害では、いね疑似紋枯症、いね・きゅうり・てんさいの苗立枯病、キャベツ株腐病、レタスすそ枯病、いちご芽枯病、ばれいしょ黒あざ病、しょうが紋枯病、ふき白絹病、にら葉枯病、しば葉腐病、だいこん亀裂褐変症(リゾクトニア菌)、いぐさ紋枯病に登録を有している。
 バリダシンは、農家ニーズに対応した薬剤として、今後も新たなる作物・病害に開発され、ますます農業分野に貢献する剤となることを、多いに期待したい。


使用方法

使用方法

(2003.8.20)

 

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