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天然物の殺ダニ・殺虫剤 抵抗性のないミルベメクチン剤 |
ミルベメクチン剤は、環境および対象作物へのやさしさを求めてきた三共アグロ(株)の一丸となった取り組みの結晶ともいえよう。有効成分のミルベメクチンは、微生物から生まれている。北海道のとある神社の床下の土壌から採取した放線菌を培養して作られた。 ミルベメクチンは全く新しい作用性をもち、既存の薬剤抵抗性のハダニ類に対しても低成分量で優れた防除効果を発揮するほか、各種ハダニの成虫・若虫・卵の全ステージに対して速効的なパンチ力を示し、ダニの密度を急激に低下させることができる。天敵など、有用昆虫への影響も少ない。 また、ハダニ以外の害虫も同時防除できるメリットが大きい。野菜のハモグリバエ類やコナジラミ類、トマトサビダニ、果樹のキンモンホソガ、ニセナシサビダニ、ユキヤナギアブラムシ、チャノホコリダニ、ミカンサビダニ、茶のチャノホソガ、チャノホコリダニなどにも登録を取得している。 天然物のミルベメクチンの有効成分は、植物体上で光分解により速やかに分解されることから、作物残留も問題なく安全だ。化学合成農薬でないため、特別栽培農産物で使用しても農薬使用回数にカウントされないことから、天敵利用などの防除体系に組み込むことができ、まさに時代の申し子ともいえよう。北海道、青森、愛媛、高知で特別栽培農産物認証制度に採用されていることも特筆すべき話題だ。
なお、ミルベメクチンのマツノザイセンチュウに対する高い活性をいかした松枯れ防除剤『マツガード』も2000(平成12)年7月に農薬登録されている。 抵抗性の起こらなかった要因としては、ミルベメクチンの作用機構自体が抵抗性を引き起こし難いと推察できる。上市から14年経過するが、主要なダニ剤として抵抗性が顕在化していない。この事実から、総使用回数を遵守し、きちっとした使い方をしてもらえば、今後も貴重なダニ剤として作物保護に寄与できると筆者は見る。 (2004.7.23) |
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