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カウンター乳剤を上市 IPM対応の基軸剤に
―エス・ディー・エス バイオテック―


 (株)エス・ディー・エス バイオテック(白井孝社長、本社:東京都港区、以下SDS)は10月5日、新規殺虫剤『カウンター乳剤』(有効成分:ノバルロン)を、この10月から市場投入したと発表した。内閣府食品安全委員会審査による新登録制度適用の第1号剤。
 ノバルロンは、イスラエルのマクテシム アガン インダストリーズ社(農薬売上高世界第7位、日本法人(株)マガン・ジャパン、畠山昌久社長)がアメリカをはじめ世界20カ国以上で登録をもつキチン合成阻害型の新規殺虫剤として注目されていた。
 平成16年7月5日付けで農薬登録を取得(農林水産省登録第21303号)していた『カウンター乳剤』は、コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、オオタバコガなどの主要鱗翅目害虫はもちろんのこと、ハウス栽培など難防除害虫として問題化しているマメハモグリバエおよびコナジラミ類に対して、高い殺虫効果と長い殺虫持続効果を発揮する特長がある。
 近年、海外から侵入したこれら難防除害虫に対しては登録農薬が少なく、また、薬剤抵抗性が発達しやすい特長をもっているため、これらに対して有効な殺虫剤の拡充が望まれていた。
 本剤は人畜、魚類に対して安全性が高く、各種寄生蜂類、チリカブリダニ、ウズキコモリグモなどの天敵類、ミツバチ、マルハナバチなどの訪花昆虫の活動などにも影響が見られず、IPM(総合的病害虫管理)に適した薬剤の一つとして期待されている。
 今回の登録作物は、トマト、ナス、キャベツの3作物だが、同社では今後、本剤のもつ特長を最大限活かし、難防除害虫が多発する施設野菜を中心に各種適用作物・害虫の拡充、拡大をはかっていく。販売は、SDSが各地域の商系卸を中心に全国展開していく。
 SDSは、主力製品の野菜用殺菌剤および水稲用除草剤を中心に農薬事業を拡大するいっぽう、微生物殺虫剤、天敵線虫剤、微生物殺菌剤などの生物農薬を充実させている。『カウンター乳剤』は、生物農薬および環境保全型農業に適した農薬として開発された殺虫剤であり、同社のIPM対応の基軸商品となる可能性が高い。

(2004.10.12)

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