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投資など「新分野」で交渉が決裂 −宣言採択できず閉幕 第5回WTO閣僚会議− |
メキシコのカンクンで9月10日から開かれていた第5回WTO(世界貿易機関)閣僚会議は、最終日の会合で投資ルールや政府調達透明性など、いわゆるシンガポール・イシューと呼ばれる新分野の交渉を開始するかどうか、先進国と途上国の対立が激化、議論をまとめきれず閣僚宣言を採択できないまま14日、閉幕した。 農業分野では上限関税設定を盛り込む一方、日本の主張を一部反映し少数の例外品目を認める記述もある3次案が示され最終日の議論が注目されたが、結局、農業分野の最終議論に入れないまま終わった。12月から新たな動きが本格化するとされるが今後の交渉日程や今回示された宣言案の扱いについては今のところ不明だ。 |
◆日本 9か国と修正提案
日本は閣僚会議2日めの9月11日、スイス、ノルウェー、台湾、韓国など8か国と共同で8月に示された閣僚会議文書2次案に対する修正提案を行った。 ◆途上国は強硬姿勢 一方、先進国に一層の市場開放と国内支持や輸出補助金の撤廃を求めるインド、ブラジルなどの途上国グループは会議中にトルコも加わり計22か国に。 ◆3次案 日本、一定の評価 こうした議論を経て今回の閣僚会議の議長、デルベス・メキシコ外相は13日、閣僚宣言3次案を各国に示した。 ◆先進国対途上国の対立深刻 3次案をめぐって13日夜7時から主席代表者会合が開かれ各国閣僚が発言。終了したのは翌14日午前1時と6時間近くに及んだ。 ◆新たな貿易ルール 確立めざす 亀井農相は現地での記者会見で「シンガポール・イシューの扱いをめぐって先進国、途上国に立場を埋めることができず会合が終了になったことは残念」と語り、農業については「多様な農業の共存を基本理念として10か国グループをはじめ関心のある国と連携し主張を展開。日本の主張が盛り込まれた記述が一部追加された。今後とも、交渉にあたっての基本的な考え方に即して新しい貿易ルールを確立することができるよう積極的に交渉に貢献していく」と述べ、引き続き一律・大幅な関税などの削減に反対していく考えを示した。 ◆新しい貿易ルール確立へ 運動の再構築に取り組む JAグループは今回の閣僚会議に代表団を派遣。海外の農業団体との連携活動など日本の交渉団を支援、国際農業生産者連盟の「国際貿易に関する家族農業者会議」への出席のほか、アジア6か国で構成する「協力のためのアジア農業者グループ」で、非貿易的関心事項の反映、重要品目の上限関税の設定反対などの内容の共同宣言を採択した。 ◇ ◇ ◇
農業交渉についてはわれわれの「関税上限設定の削除」という徹底した取り組みで新たな提案に限定つきながら「非貿易的関心事項に基づく品目の例外措置」が盛り込まれたが十分な議論を経ることなく終わった。 (2003.9.17) |
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