ミニマム・アクセスの枠内で行うSBS(売買同時入札)の12年度第1回入札が5月23日に実施されるが、食糧庁は今回の入札からルールの一部を以下のように変更することを決めた。
@ 一般米と砕精米の区分の見直し。
従来、SBSの契約申し込みは、一般米枠、砕精米枠ともに業者の申し込み数量に応じて区分していた。しかし、今回からは食糧庁が決めた落札予定価格をクリアした申し込み数量を基準にして、一般米と砕精米の比率を案分することにした。最近のSBSでは、砕精米への申し込み数量が増えているが「本当に需給実態を反映したニーズなのか」(食糧庁貿易業務課)との疑問があるためだ。
A 砕精米中の完全粒混入率を5%に引き下げ。
これまで砕精米中の完全粒混入率は10%以下とされていたが、今回からは最高限度を5%とする。
SBSに砕精米枠が設けられたのは、平成7年の第2回入札から。砕精米の輸入を求める業者に応札の機会を与えるためだった。しかし、最近は砕精米から完全粒を取り出してそれを主食用として
流通させているのではないかとの見方も業界にはある。今回の改正はこうした事態を防ぎ、SBS枠輸入米の適正な流通を図るための措置だ。
同時に B 輸入業者にも契約違反に対する措置をとる。
SBS枠輸入米については、用途外の使用禁止規定が契約書に明記されているが、この規定は卸や加工業者など買い受け者のみが対象だった。それを輸入業者も対象に含めることにした。契約違反が確認された場合は、輸入者、買い受け者ともに2年間、契約の相手方にしないという実質的
な入札資格の停止処分が行われる。
5月23日の入札数量は3万トンを予定。今年度のSBSは昨年合計4回行われることになっており、合計で12万トン程度になる見込み。
また、今回の改正では、砕精米については最低取引単位を従来の17トンから34トンに引き上げることも決めた。輸入米の安全性検査には一取引単位あたり約112万円かかり食糧庁が負担しているが、一取引単位を増加させることによって検査コストの節減を図るのが狙い。
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