(株)東洋精米機製作所では、平成3年に「BG無洗米」を開発したが、その無洗米加工工程で生成されるのが、有効資源副産物「米の精」だ。
「米の精」の成分は、汚染の原因となっていた(米のとぎ汁)であり、もともと米(稲)を介して土の養分・有効成分を吸収し、生成されたものなので、土から摂れたものは土に還元する、という発想から当初から飼料や肥料・土壌改良材に活用されている。
一方、同社のお膝元、和歌山県の南部地域は、高品質を誇る全国的な梅の産地だが、数年前から梅木の生育不良(現在は縮小)が言われ、試験的に有志農家が「米の精」を梅木に施肥してみたところ、土壌活性など良い結果を得たとの報告があった。
そこで3年前に、14農家の協力を得て、規模を大きくして実験を行うこととし、紀州南部ロイヤルホテルで公開実験の開始を発表した。
その中で、(1)使用する「米の精」は、同社が3年間優先的に無償で提供する。(2)実験農家の協力が基本であり、公開実験とする。(3)実験方法や評価は、梅づくりのプロの協力農家にまかせる、などをとり決めた。
1、2年目に施肥方法や成果評価など中間報告を行ってきたが、この度、3年間を総括して最終の結果を報告することになったもの。
この実験の特長は、実験室・研究所という限られた環境ではなく、農家の実際の生産園で、しかも南部町・南部川村・田辺市にわたる広域で、3年間という長期実験が、現場主体で行われたことだ。
また、実験素材を提供した同社も、肥料障害・収量激減など心配していたが、好成果を納めたことで、あらためて「米の精」の有効性を評価した。
◎「紀州の梅を守りたい公開実験結果発表会」の開催概要は次の通り。
・主催者 株式会社 東洋精米機製作所
・日時 平成15年8月25日(月曜日)
14:00〜16:00
・場所 紀州南部ロイヤルホテル
・内容 実験3年間の経過と最終結果の発表(園地視察希望者は12:10JR南部駅前集合、送迎車、昼食の用意有り。視察希望者は、同社広報室担当関まで連絡のこと。TEL073−471−3011)
◎パネルディスカッション
(1)テ−マ 「環境にやさしい梅づくり」
(2)コーディネーター 重栖 隆(WOCA事務局長・フリージャーナリスト)
(3)パネラー 卯辰 寿男(南部川村うめ21研究センター所長)、山本 賢(農業指導者)、永井 恒雄(梅仙人・実験協力農家)、谷本 智(実験協力農家)、雑賀 慶二((株)東洋精米機製作所 社長)。
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昨年の公開実験結果発表会のようす
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(2003.8.18)