全国棚田(千枚田)連絡協議会は第10回全国棚田「千枚田」サミットを9月3日〜4日の2日間、佐賀県相知町内の『蕨野の棚田』など数会場で開催する。
サミットは、「日本の“農”と“食”を見直そう!棚田からの提案」と題し、蕨野の棚田ミニウォーク、佐賀県知事の特別講演、分科会など予定している。そして、棚田保全に向けて今後の課題を探るとともに、良質な食糧〜スローフード〜の産地である棚田から、日本の農業と食、そして日本の主食であるコメについて考えていく。
開催日程、分科会の概要は以下の通り。
○日程
・9月3日(金)
9:00〜9:50 全国棚田(千枚田)連絡協議会理事会 交流文化センター
10:00〜11:45 全国棚田(千枚田)連絡協議会総会・首長等会議 交流文化センター
11:50〜12:30昼食 交流文化センターまたは社会体育館
13:00〜13:30 開会式 社会体育館
13:30〜14:45 特別講演 佐賀県知事古川康 社会体育館
15:00〜18:30 蕨野の棚田ミニウォーク 蕨野の棚田(バス移動)
18:30〜20:30 全体交流会 社会体育館
21:00〜22:00 交流会二次会 唐津シーサイドホテル
・9月4日(土)
9:00〜11:55 分科会(棚田の保全に向けテーマごとに開催) 浦の川スポーツセンターほか
12:00〜12:50 昼食 各分科会会場
13:00〜14:00 事例発表(1)佐賀大学農学部「手間講隊」の活動、(2)相知小学校「田んぼの学校報告」、(3)棚田環境大学の活動報告
14:00〜15:30 分科会の発表(分科会の発表をディスカッション形式で集約)
15:30〜15:40 協同宣言
15:40〜15:50 閉会式
分科会はテーマで行う。
1.棚田サミットの10年(サミットの軌跡と展望) 中島峰広早稲田大学名誉教授
過去のサミット開催地における開催後の活動について報告。中山間地域等直接支払い制度が一つの区切りを迎えるなか、オーナー制度やその他の地域活性化を図るための都市との交流事業について、今後の課題を探る。
2.棚田米の販売戦略を考える 横川洋九州大学大学院教授
多種多様なコメがあるなか、棚田米は一般的においしいと評価される。棚田米は手間ひまをかけて生産するスローフードでもあり、さらにおいしいコメづくりとPR方法(マーケティング戦略)を協議する。
3.棚田での資源循環型農業とフィールド教育 田中欽二佐賀大学教授
安全な食料を生産する場としての棚田を再評価し、より積極的に棚田での資源循環型農業を推進するための手法について、有機農法・自然農法の実践活動を支えながら、その可能性について考える。
4.棚田と景観(石積みの美、土坡の美) 千賀裕太郎東京農工大学教授
石積み、土坡それぞれの特徴を踏まえて、文化遺産としての棚田、なぜ棚田の石積みは美しいのかを考える。また、多様な生物の住拠であることを踏まえ、環境教育・体験学習としての棚田の活用について考える。
5.棚田発・農業観の転換 宇根豊NPO法人農と自然の研究所代表理事
食糧自給率40%、減り続ける田んぼ、絶滅危惧種のうち30%は田んぼの生物。このように、農業の危機は深まっている。もう「農業観」を転換するしかない。そこで、棚田から、新しい「農の価値」と同時に「国民の役割」を考える。
※事例発表から閉会式は交流文化センターで行う。
(2004.8.9)