トップページにもどる 農業協同組合新聞社団法人農協協会 農協・関連企業名鑑

集荷・販売・流通の基幹施設として重要性増すCE
   −全国農協カントリーエレベーター協議会
    第27回総代会開催(6/7)


 カントリーエレベーター(CE)など大規模乾燥調製貯蔵施設によって、米麦の生産販売一貫体制の確立をはかっているJAによって組織されている 「全国農協カントリーエレベーター協議会」(坂本由夫会長)の第27回総代会が、6月7日、東京・虎ノ門パストラルで開催された。また、総代会後に、「第5回カントリーエレベーター優秀オペレーター表彰」も行われ、11県連15名のオペレーターが表彰された。


◆収容能力200万トンに迫る

全国農協カントリーエレベーター協議会 昭和39年に日本に初めて導入されてから36年、CEは米麦の生産・販売・流通の合理化・省力化を推進する基幹施設として、現在、全国346JAに738施設、その収容能力は195万3244トン(12年4月現在)にまで拡大してきている。

 今年度から新しい「水田を中心とした土地利用型農業活性化対策」がスタートするなど、コメをめぐる情勢は大きく変化してきているが、CEは「生産における地域農業振興と稲作経営の基幹施設として、集荷における集荷拠点として、そして販売における流通合理化の基盤として、今後ますます重要性を増し」(12年度事業計画)ている。

 しかし、総代会の挨拶で坂本会長がCEの重要性が増していることを強調しつつも「オペレーターの育成と確保、施設の老朽化と補修・改修の問題、稼働率の向上や品質事故防止問題など運営上の諸課題も多く抱えている」と指摘しているように、解決しなければならない課題も多い。

 そのため「本協議会として、これらの課題解決にむけ一層努力するとともに、事業の進め方、運営方法についてもさらに充実をはかるため、会員相互の連携を一層強化する」(坂本会長挨拶)ことを総代会は確認した。

◆利用率向上・品質事故防止を柱に事業計画

 総代会は、坂本会長の挨拶の後、染英明農水省農産課長が挨拶。その後、平成11年度事業報告と12年度事業計画を審議し全会一致で採択した。

 今年度の事業計画は、@協議会の運営・活動および県指導体制の強化、A研修会の実施、B優秀オペレーター表彰の実施、C品質事故防止対策への取組み、D政府に対する予算等の要請、E会員相互の情報連絡を基本的な柱としている。

 とくに、利用率向上や品質事故防止などのために、各階層ごとの研修には従来から力を入れてきているが、今年度も
【CE施設運転技術者研修会】(4〜5月に全国4会場で実施済み)
 これは、CE施設運転技術者(オペレーター)の運転技術の向上と品質事故防止のための知識習得をはかるもので、11年度の3会場(96JA182名が参加)から4会場に拡大された。

【CE管理者研修会】
 CEの利用率向上・集荷対策と品質事故防止対策を目的に、JAのCE施設管理者を対象に行うもので、12年6〜7月全国3会場で開催される(11年度は78JA123名が参加)。

【CEJA経営者研修会】
 CEのより適正な運営管理、とりわけ稼働率の向上と品質事故防止を目的に、JAの経営者を対象に行われるもので、今年度は10〜11月に全国1会場で開催される(11年度は全国2会場で開催され、44JA58名が参加)

【県連CE指導員研修】
 県連農業倉庫巡回指導員と合同で行う研修会で、CEについては品質事故防止を目的に、本格的な収穫が始まる前と春先の暖候期の2回実施されるもので、今年度も12年8月と13年3月に開催される。

 また、品質事故防止対策としては、今年も「品質事故防止強化運動月間」を設置して取り組むとともに、「CEの運営指標(業務こよみ)」を作成することにしている。

◆坂本会長再任、副会長に廣瀬竹造・栗田美和両氏が

 総代会では、役員の改選を行い、15名の幹事と2名の会計監事を選出した。新たに選出された幹事会で協議の結果、会長には引き続き坂本由夫JA能美組合長(石川県)が再任され、副会長には廣瀬竹造JAグリーン近江組合長(滋賀県)と栗田美和ふくれん農産部長が新任され、廣瀬副会長が新役員を代表して挨拶を行い、総代会は全議案を原案通り承認し終了した。
 選出された新役員は表の通り。

全国農協カントリーエレベーター協議会役員
役 職 氏  名 所   属
会 長 坂本 由夫 石川県 JA能美組合長
副会長 廣瀬 竹造 滋賀県 JAグリーン近江組合長
  栗田 美和 ふくれん農産部長
幹 事 松明 良二 ホクレン米穀部長
  佐藤 修助 秋田県 JAあきた北央組合長
  山崎 秀雄 新潟県 JA神林村組合長
  湯沢 武雄 長野県 JA上伊那組合長
  野村 和久 愛知県経済連農産資材部長
  三上 久司 福井経済連米穀部長
  井原 光平 岡山県経済連農産部長
  三谷 安夫 香川県 JA香川県常務理事
  廣重 幸平 佐賀県 JA川副町会長理事
  富士 重夫 全中食料農業対策部次長
  笹栗 満憲 全農施設住宅部長
  水野 文男 全農米穀販売部長
会計監事 小嶋  彰 愛知県 JAあいち三河組合長
  石原 武美 兵庫県経済連経済一部長

 

◆15名の優秀オペレーターを表彰

カントリーエレベーター優秀オペレーター表彰 総代会終了後、今年で5回目を迎える「カントリーエレベーター優秀オペレーター表彰」が行われ、別表の15名の優秀オペレーターに、坂本会長から賞状と副賞が手渡された。

 この表彰の選定基準の要旨は
@CEオペレーターとして10年以上勤務し、その間、品質事故、火災事故を発生させたことがない
A施設作業に必要な作業主任者資格として、穀物乾燥設備作業主任者を含めて2つ以上をもっていること
B利用組合の育成など、施設の合理的な利用体制の確立や施設運営に大きく貢献していること
CCEの稼働率が最近3ヵ年間、おおむね80%を上回り、経営内容も良好に推移していること
D他のオペレーターなど現場作業従事者の協力体制が整い、労務環境が良好に維持されていること
E技術の習得や情報交換などに積極的に取組み、日ごろより自己研鑚につとめるとともに、当該産米の評価向上のため指導的役割をになっていること となっているが、本人の日ごろの努力や研鑚だけではなく、稼働率80%以上などJAの集荷体制を含めて、JAのCEに対する適正な運営管理がなされていないと、受賞できない内容となっている。

 表彰式後、15名の受賞者を代表して、JA上伊那(長野県)の麦島健男さんが「謝辞」を述べた。  

 

第5回カントリエレベーター優秀オペレーター表彰受賞者
県連名 JA名 氏名 年齢 従事
年数
所属・役職名
北海道 清里町 南出 昭一 59 24 業務部業務課主査
岩手 いわて南 石川 恵規 51 10 平泉営農センター監理役
秋田 あきた北央 御処野 光悦 41 20 営農部営農課広域営農センター主任
群馬 館林市 川島 国男 43 11 営農部カントリー課係長
  高崎市 清水 誠 39 10 農産課
長野 上伊那 麦島 健男 57 23 宮田支所営農課
愛知 あいち中央 稲垣 国男 42 10 営農部農畜産課係長
福井 福井清水町 塚本 久二 45 10 営農部販売課係長
  越前たけふ 三田村 進 52 13 営農課
滋賀 グリーン近江 宮川 和彦 42 17 北部事業支所農産課調査役
  東びわこ 外川 捨男 43 21 愛知中部地域センター営農 販売課調査役
福岡 筑前あさくら 太田 正隆 44 13 営農企画部ライス事業課平成CE係長
  ふくおか八女 井口 真一 40 11 筑後地区センター営農販売
 筑後CE担当調査役
佐賀 小城郡 古川 和敏 48 22 三日月町CE主任オペレーター
熊本 たまな 本山 圭司 45 17 経済部農畜産指導販売課

農協・関連企業名鑑 社団法人農協協会 農業協同組合新聞 トップページにもどる

農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp