25日に投・開票が行われた第42回衆議院議員選挙で全国農業者農政運動組織協議会(酒井研一会長)は小選挙区242名、比例区29名のあわせて271名の候補を推薦していたが、このうち199名が当選した。当選率は73%となった。
今回の選挙では、自民・公明・保守の与党が絶対安定多数(269議席)を上回る271議席を確保はしたが、自民党は改選前の議席数を38減らし、推薦候補のなかでも玉沢徳一郎農相、深谷隆司通産相など現職閣僚が落選するなど厳しい結果となった。
開票が始まると、中川昭一前農相(北海道11区)、谷津義男農水総括政務次官(群馬3区)、松岡利勝前衆院農水委員会委員長(熊本3区)、赤城徳彦元自民党農林部会長(茨城1区)などが次々に当選。比例区でも鈴木宗男氏(北海道)、松下忠洋自民党農林部会長(九州)らが当選した。また、全国農政協顧問の熊谷市雄氏(東北)も再選を果たした。
しかし、岩手1区の玉沢農相のほか、東京16区の島村宜伸元農相、新潟2区の桜井新元自民党農林水産物貿易対策特別委員長、東京5区の小杉隆元文相らが小選挙区で落選、比例区でも復活できず議席を失った。
今回の選挙結果について全国農政協の酒井研一会長は、26日に「農業者、JAグループ、ならびに農政運動組織が食料・農業・農村問題に真に理解のある候補者を一人でも多く国会に送り出すべく真摯に取り組んだ結果」としながらも「玉沢農相ら農政に造詣の深い候補者が議席を失われたことは痛恨の極みであり、このことの反省・総括を徹底して行い今後の取り組み強化を図っていく」などと談話を発表した。
また、JA全中・原田睦民会長も「農政に熱い思いと理解を持たれた方々が議席を失われるに至ったことについては断腸の思いで受け止めている。我々は、食料・農業・農村の将来が国民的課題になっていることに思いを新たにし、農業者のより一層の意思結集と農政運動の強化をはかるとともに消費者をはじめとする草の根からの連携の取り組みをさらに強化する」との談話を発表した。
7月4日に首班指名と組閣が行われる予定になっている。
全国農業者農政運動組織協議会 酒井研一 会長 の談話
第42回衆議院議員総選挙は、6月13日に公示、25日に投票・開票が行われ、自由民主党・公明党・保守党の与党が絶対安定多数(269議席)を上回る議席を確保する結果となりました。
本協議会は、第42回衆議院議員総選挙が実施されるにあたり、農政運動組織が抱えている政治課題の解決に向けた意思反映の確固とした基盤を確立するため、直面している農政諸課題に真に理解のある候補者を一人でも多く国会に送り出す取り組みを組織の総力を結集して行うことを確認しました。
この確認のもと、本協議会は、都道府県農政運動組織の申請を基礎として、小選挙区242名、比例区29名、あわせて271名の自由民主党を中心とする候補者の推薦を決定し、新聞紙上で内外に広く紹介するとともに、都道府県農政運動組織・JAグループとの連携を図る中で、推薦候補者の当選に向けた支援に取り組みました。
この結果、本協議会が推薦・支援した候補者の当選者数は、小選挙区・比例区合計で199名にのぼり、当選者率は73%になりました。これは、農業者、JAグループならびに農政運動組織が食料・農業・農村間題に真に理解のある候補者を一人でも多く国会に送り出すべく真摯に取り組んだ結果といえます。
21世紀に向けたわが国の食料・農業・農村の将来を切り拓くにあたっては、さまざまな課題を解決していく必要があります。とりわけ、本年から開始されたWTO農業交渉は、結果如何によっては、わが国の食料・農業・農村の将来に深刻な影響を与えかねない極めて重要な課題であります。
WTO農業交渉をはじめとする農政諸課題は、農業者・JAグループ・農政運動組織だけでは解決することは困難であり、政治的な解決を必要とすることから、今次衆議院議員総選挙において、本協議会が推薦し、当選された方々には、わが国の農業・農村の発展に資する国政にご尽力をいただきますことを心より切望いたします。
また、東北ブロック比例代表に前衆議院議員・全国農政協常任顧問の熊谷市雄氏が立侯補し、見事再選を果たしました。このことは東北ブロックを中心とする全国の農業者・JAグループならびに農政運動組織の熊谷市雄氏を再び国会に送り出そうとする強い決意と支援の賜物であり、農業者等の生の声を国政に反映するうえで大変意義のあることといえます。熊谷市雄氏におかれましては、国政の場でのますますのご活躍をご期待申し上げます。
なお、玉沢農林水産大臣等農政に造詣の深い侯補者が議席を失われたことは、痛恨の極みであり、このことの反省・総括を徹底して行い、今後の取り組み強化を図っていく所存であります。
平成12年6月26日 全国農業者農政運動組織協議会 会 長 酒 井 研 一
全国農業協同組合中央会 原田睦民 会長 の談話
今回の総選挙について、我々JAグループは、食料自給率の向上をはじめとする農政の推進、WTO農業交渉の確固とした推進という立場からその帰すうに注目して来ました。
その結果、農業・農村に理解のある多数の候補者が当選されたことは今後の農政を推進するうえで、心強いものがあります。当選の栄を勝ち取ら れた方々に心からご祝福を申し上げ今後のご活躍を期待致します。
しかしながら、玉沢農林水産大臣をはじめ、農政に熱い思いと理解を持たれた方々が議席を失われるに至ったことについては断腸の思いで受け止めています。我々は、食料・農業・農村の将来が国民的課題になっている
ことに思いを新たにし、農業者のより一層の意思結集と農政運動の強化を はかるとともに、消費者をはじめとする草の根からの連携の取組みを更に強化する所存です。
平成12年6月26日 全国農業協同組合中央会 会長 原田 睦民
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