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「経営管理委員会」導入などを議論 −農水省の農協検討会


 農水省は「農協系統の事業・組織に関する検討会」を設け、JA改革などをめぐるヒアリングを重ねたが、その概要をまとめた上、23日の第8回検討会で改めて議論。その中では「自ら経営責任をチェックするJA体制が必要」など経営管理委員会制度にからむ意見が出た。ヒアリングでも同制度の導入論が多かった。

 ところがJA全国大会議案を組織討議する地区別検討会では「経営管理委員会制度はJAにはなじまない。断固反対」とか▽農家の声が経営に反映されないのではないか▽制度導入によって理事会制度が形骸化しないかなどの意見が目立ち、農水省の検討会とは論調を異にした。
 もちろんJAグループの組織討議でも金融面からみて「連合会や大規模JAには経営管理委員会制度が有効」との議論が出ている。

 しかし農水省のヒアリングまとめでは、担い手農家や農業法人、地方行政、外食産業の委員からだけでなく、JAの組合長や営農指導職員、県中央会の委員からも導入論が目立った。
 その概要は▽JAにも所有と経営の分離が必要▽大型JAには経営管理委員会と理事会の併用性が必要▽同委員会制度の定着を図る上で運用指針の整備を▽経営能力のある役員を入れないとJA経営はできないなど。

 以上はJA側の意見だが、農業法人の委員からは「専門的な経営者による経営と同委員会の意向を調整する形態が必要」とか、地方公共団体の委員からは「理事会との併用方式の定着が必要であり、とくに全国連が率先して導入すべきだ」など導入を前提にした意見が多かった。

 23日の議論では▽JAは農家の組合加入が当然と思っている▽今のままのJAなら必要ない▽以前から問題点が指摘されていたのに今まで何をしてきたのかなどのJA批判があった。

 注文では▽よくやっているJAの事例をスタンダード化すべし▽営農指導の重要性をしっかり位置づけること▽部門別収支が組合員にはっきりわかるようにすべき▽信用事業の改革を急がないと手遅れになるなどの意見が出た。
 これに対しJA側委員は、どんぶり勘定はなくなり、部門別採算の取り組みも前進。また悪平等もなくなっているなど成果が挙がっているとの説明もあった。

 一方「JA自身が農業経営に乗り出す時代がきた」との提起に対し「もし失敗したら、どう責任をとるのか。信用事業で穴埋めするのか」という議論も出た。
 JA役員の定年制ではJA全中が模範定款をつくって、各JAが自主的にそれを採用すればよいとの議論だった。

 次回の検討会は30日に開き、JA全中とJA全農の代表からヒアリングする。その後も他の全国連を呼ぶ予定になっている。



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