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稲作の所得 昭和44年レベルに‐11年産米生産費‐(8/4)


 農水省は8月1日に平成11年産の米生産費調査を公表した。

 全国平均の10aあたり生産費(副産物価額差引)は、 13万2074円で前年にくらべて1.9%減少。これに支払利子、支払地代を加えた生産費は生産費は13万6926円で前年より2.1%減少。さらに自己資本利子、自作地地代を加えた全算入生産費は16万5522円で前年より2.6%減少した。

 これを60kgあたりでみると、収量が524kg(10アールあたり)と前年産より2.7%増加したことから、全算入生産費では、前年より5.3%減の1万8932円となった。
 作付け規模別に生産費をみると「0.5ha未未満層」の全算入生産費(22万1150円)を100とすると、「0.5〜1.0ha層」が85、「1.0〜1.5ha層」が77、「1.5〜2.0ha層」が70、「2.0〜3.0ha層」が68、「3.0〜5.0ha層」が63、「5.0〜10.0ha層」が55、「15ha以上層」が51と規模が大きくなるほど減っている。

 このように階層間格差が生まれていることについて農水省は、作付け規模が大きくなるほど、「農機具の効率的利用や、省力化が進み、労働費、農機具費等が減少しているため」としている。60kgあたりの全算入生産費でも同様の傾向がみられる。

 一方、10aあたりの粗収益は13万2026円で前年にくらべて6.6%減少した。さらに10aあたりの所得は4万4732円で前年より16.0%も減少した。昭和44年の所得が4万4539円。およそ30年前と同じ水準になっている。

 稲作経営安定対策の補てん金を加えた粗収益は、14万282円で前年より2.3%減。10aあたりでは、5万3583円で3.7%減少した。
 また、協業経営体の調査では、10aあたりの全算入生産費は、12万8796円で農家調査平均より22%低い水準となっている。ただし、10aあたりの所得は5万1354円で前年より15.4%減少した。


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