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「受給削減率は5%台に」など
   農水省が農業者年金への意見をまとめ中間発表


 農業者年金の見直しで意見と情報を募集していた農水省は15日、中間結果をまとめた。63件の大半が農業者の意見で、それ以外の5件は地方公務員2人、JA職員と大学教員と団体嘱託が各1人だった。
 意見は5項目に分類した。総論では「新基本法の下で政策年金として再構築を」という趣旨が11件あり「大幅な助成で信頼の回復を」「積立方式への移行は望ましい」などがあった。

 受給額カットでは「年金受給者は功労者。削減とは何事」「国が主体となって管理してきた責任があり、カットせずに信頼回復を」「受給者の権利は国が全面的に保証すべき」「政策年金への税投入は、農業を守る観点からも国民の理解は得られる」など30%削減は「容認できない」が7件。
 一方「財政上、削減もやむを得ない」などとして削減率に言及したのは5件で「削減は最低限5%程度になるよう強く要望する」など5%という数字を挙げた意見が4件、「1ケタ台に」としたのが1件あった。

 これに対して「後継者が加入していない場合は、5年で年金を切ってもいい。先輩世代の旅行その他無駄遣いを見てきた」「名目だけの経営以上につかみ金を渡してきたのが問題」とする意見も出た。
 掛け損については「苦しい中で死に物狂いで掛けてきたのに」など「納得できない、認めない」が20件あった。また「楽しみにしてきたのに裏切られた。金利はいらないから全額返してほしい」「女性加入についてはだまされた。勧めた人の立場がない。掛けた分は全額返して」など「戻してほしい」が3件。

 さらに「55歳までの人には経過措置を。54歳以下の人には掛け損にならないよう全額を積立方式に算入」「最低でも基本額が保証されるよう強く要望」「加算付き経営委譲年金を前提に加入し、仲間にも勧めてきた」「公務員の給与と年金を3割カットするなら掛け損にも納得する」などのほか、制度に不安を感じて加入しなかった人が「良かった」となり、勧められて加入した人が結果として「バカをみた」というようなことがあってはならないとする訴えもあった。

 新制度については「政策支援内容の拡充を」が5件、また平成8年から加入が認められた「特例配偶者加入者は無条件で支援対象に」が3件となり、「所得上限と支援期間上限はなくすべき」「2割補助は掛け損と合わせて考えると魅力はない」などの意見が出た。
 その他では農水省の大綱案が公表されてから「現場が混乱している」「今の制度はわかりにくい。事務の簡素化を」「特例脱退は不要」などがあった。

 なお農水省は8月1日までだった意見募集を8月末までに延長する。



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