農水省が25日発表した水稲の作柄概況によると、8月15日現在、早場地帯18道県の作柄は、新潟など北陸4県だけが平年並みで、あとは7月以後、天候に恵まれ、登熟が順調なことから「やや良」(指数は102−105)を見込む。
また遅場地帯29都府県の生育は群馬、愛知、兵庫、徳島、福岡、佐賀の6県だけが平年並み。あとは「やや良」で今年も豊作だ。
さらに早期栽培5県の指数は高知104、鹿児島103、宮崎102、徳島100、沖縄99となった。
昨年産までは全国と都道府県別の作況指数を公表していたが、今年からは出穂が完了し、もみ数などが確定する時期以降に作況指数を公表することにした。
このため8月15日現在は早場地帯の作柄を文字情報とし、また遅場地帯は生育の良否について公表した。
一方、今年は作期が早まっているため9月15日の次回調査に先立ち9月1日ごろに補完調査をし、11日からの週に指数を発表する。
さらに農水省は新しく水稲作況委員会を設けて今回から作柄発表に意見をつけ加えることになった。この意見に沿って9月始めに補完的な調査をする。今回の意見は概要次の通り。
@気温の高さの程度や、その持続期間によっては今後、登熟が抑制される恐れもあるAカメムシ多発の傾向があり、次回調査では十分な注意が必要。
なお委員はJA全農の鈴木郭史常務、JA全中の中村祐三常務、全糧連や全米商連の役員など情報を集めやすい立場にいる学識経験者ら8人。
平成12年産水稲早場地帯の作柄作況(8月15日現在)
府県 |
作柄 |
(穂数の多少) |
(一穂当たり
もみ数の多少) |
(全もみ数の多少) |
( 平 年 比 較 ) |
北海道 |
やや良 |
平年並み |
やや少ない |
やや少ない |
青 森 |
やや良 |
平年並み |
平年並み |
平年並み |
岩 手 |
やや良 |
やや多い |
平年並み |
平年並み |
宮 城 |
やや良 |
平年並み |
やや少ない |
やや少ない |
秋 田 |
やや良 |
平年並み |
平年並み |
平年並み |
山 形 |
やや良 |
やや多い |
やや少ない |
平年並み |
福 島 |
やや良 |
平年並み |
やや多い |
平年並み |
茨 城 |
やや良 |
やや多い |
平年並み |
やや多い |
栃 木 |
やや良 |
平年並み |
やや多い |
やや多い |
千 葉 |
やや良 |
多い |
平年並み |
多い |
新 潟 |
平年並み |
やや少ない |
平年並み |
やや少ない |
富 山 |
平年並み |
平年並み |
平年並み |
平年並み |
石 川 |
平年並み |
平年並み |
やや少ない |
やや少ない |
福 井 |
平年並み |
平年並み |
平年並み |
平年並み |
長 野 |
やや良 |
やや多い |
平年並み |
平年並み |
三 重 |
やや良 |
平年並み |
平年並み |
やや多い |
滋 賀 |
やや良 |
やや多い |
平年並み |
やや多い |
島 根 |
やや良 |
やや多い |
平年並み |
やや多い |
【注意】 作柄作況は、穂数、もみ数及び登熟状況のうち、計測可能なものを実測し、それ以外の収量構成要素は、過去の調査結果と調査時点までの気象データ等により推定し、その後の気象が平年並みに推移するものとして作柄予測を行った。したがって、今後の気象条件により作柄は変動することがある。
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