農水省統計情報部が8月30日公表した平成11年産てんさいの10アール当たり生産費(副産物価額差引)は8万710円で、前年比1.1%減少した。これに支払利子、支払地代を加えた10アール当たり支払利子・支払地代算入生産費は8万4,041円。前年比0.7減。
さらに、自己資本利子、自作地地代を加えた10アール当たり資本利子、地代全額算入生産費(以下「全算入生産費」)は9万4,816円となり、前年比1.5%減少した。
これを1トン当たりでみると、10アール当たり収量が5,411キログラムと前年の収量(5,911キログラム)を9.7%下回ったことから、生産費(副産物価額差引)は1万4,917円(前年比9.5%増)、支払利子・地代算入生産費は1万5,533円(同9.3%増)、全算入生産費は1万7,524円(同9.1%増)となった。
10アール当たり生産費の主要費目の動向は以下のとおり。
@農機具費−−1万1,141円で前年比1.8%減少。償却済み農機具の増加に伴い償却費が減少したため。
A肥料費−−1万8,006円で、前年比1.4%減少。配合肥料等の施肥量が減少したことなどのため。
B農業薬剤費−−8,997円で、前年比12.0%増加。低気圧や前線の影響による長雨、異常高温等による黒根病の防除等の増加に伴い、殺菌剤及び殺虫剤の使用量が増えたため。
C労働費−−2万7,898円で、前年比5.5%減。補植、除草、収穫作業等の労働時間が減少したことなどによる。
2、収益性−−@10アール当たり粗収益は8万8,947円で、前年比10.2%減。低気圧や前線の影響による長雨、異常気象等により黒根病が多発し、収量が減少したことによる。A10アール当たり所得は3万1,251円で、前年費26.7%減少した。
平成11年産てんさい生産費及び収益性 |
単位(金額:円、増減率:%) |
区 分 |
10a当たり |
1t当たり |
実数 |
対前年増減率 |
実数 |
対前年増減率 |
生産費 |
物財費 |
52,812 |
1.4 |
9,761 |
12.3 |
労働費 |
27,898 |
△5.5 |
5,156 |
4.6 |
費用合計 |
80,710 |
△1.1 |
14,917 |
9.5 |
生産費(副産物価額差引) |
80,710 |
△1.1 |
14,917 |
9.5 |
支払利子・地代算入生産費 |
84,041 |
△0.7 |
15,533 |
9.9 |
資本利子・地代全額算入生産費 |
94,816 |
△1.5 |
17,524 |
9.1 |
収益性等 |
収量 |
5411kg |
△9.7 |
− |
− |
粗収益 |
88,947 |
△10.2 |
− |
− |
所得 |
31,251 |
△26.7 |
− |
− |
|