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事業利益大幅に減る
  不債権処理も響く
  総合JAの昨年度経営概況 (9/7)


 JA全中の1999年度「総合JA経営速報調査」結果によると、全国のJAの取扱高は貯金と貸出金は増えたが、ほかの主要事業は景気低迷や農業の衰退などから、ほとんどが前年度実績割れとなった。

 各事業とも収支は厳しく、収益から費用を差し引いた事業総利益は前年度より2%減り、そこから事業管理費を差し引いた事業利益は28.5%と大幅に減った。これは不良債権の償却と引き当て積み増しなどが大きく響いたものとされる。

 経常利益は6.9%と小幅な減少にとどまったが、4年連続の前年割れだ。
 そこから特別損益と税金を加減した当期剰余金は4.5%減となった。
 調査はJA全中が1525JA(3月末現在の全国JA数の93.4%)の報告を集計し、7日発表した。
 事業取扱高は貯金が前年度より1.7%増えた。景気低迷の中で、各JAが渉外活動を強化したり、貯金獲得キャンペーンを展開したことによるとみられる。貸出金は0.4%の微増。

 長期共済保有高の伸び率は、ここ数年、低下傾向だったが、11年度は伸び率ゼロとなった。新規契約の伸び悩みなどによる。
 販売品販売高は3.9%減で5期連続の前年度実績割れ。コメや野菜の値下がりに加え、九州地方の台風18号被害も要因。
 購買品供給高は3.2%減で3期連続の前年度実績割れ。生産資材は生産基盤の縮小などから比2.5%減。生活物資は大型店との競争激化などから4%減。

 損益は事業総利益が共済で0.1%増だが、信用で3%、販売で6%、購買で約4%のそれぞれ減益。
 事業管理費が0.9%減と小幅なのは退職給与引当金繰り入れの積み増しなどが主因と推測される。
 当期剰余金は減少したが、当期未処分剰余金は税効果会計導入に伴う過年度税効果調整額などにより約62%と2期連続の増益。

 JAの職員数は引き続き減少し、常雇い的な臨時雇用を含む職員数は23万1647人(1152JAの集計値)で2%減(4778人の減)となった。



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