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加重平均で0.3%の値下げで合意
  平成13農薬年度の農薬価格交渉 −JA全農 (10/5)


 JA全農(大池裕会長)は10月5日、平成13農薬年度(平成12年12月〜平成13年11月)の農薬価格について、6月下旬以降、農薬原体メーカー及び製剤メーカーと個別に交渉をすすめてきたが、加重平均で0.3%の値下げで合意したと発表した。8年連続の値下げとなる。

 合意までの経過を見ると、先ず原体及び製剤メーカーは7年連続の価格引下げや売上高の停滞により経営が一層厳しくなっていること、また原油の高騰にともない原材料、副原料、包装資材費、製造経費が上昇していることなどを背景に、価格の値上げを強く求めた。
 一方、JA全農は厳しい農業情勢についてメーカーの理解を求めるとともに、値上がり要因の合理化による吸収と価格引下げを要求した。さらに、競合の激しい品目、安値市況が恒常的に発生している品目及び原体メーカーからの直接購買品目の価格引下げを強く求めた。

 これらのバックボーンの中、JA全農は平成10年度からスタートした「JAグループ農薬推進強化運動」(需要の結集、農家サービスの向上が柱)に結集する組織力を背景に粘り強く交渉した結果、全体として価格の抑制を実現した。
 その詳細を見ると、大半の品目は据え置きとし、一部品目で値上げはあったものの、茎葉処理除草剤や水稲用除草剤等を中心に主要剤について値下げを果たした。

 なお、加重平均の中には含まれていないが、JA全農では新規水稲用除草剤(MYー100混合剤)について低コストに貢献できる価格を実現し、60万ヘクタール以上の普及を目指していく。さらに、茎葉処理除草剤等については割安な系統独自大型規格品を新たに設定し、価格の引下げを実施した。

解説
 平成13農薬年度の農薬価格交渉は、従来より約2カ月早く開始された。系統農薬事業はあくまでも「予約」が中心だが、10月から予約推進を開始するJAもあり、予約時に価格が決定していないという問題が一部見られた。これを回避していくために、交渉を早めたものだ。

 今回の価格交渉について、「原油の高騰など、原材料の情勢が厳しさを増す中での交渉となった」、またメーカーはこの一年で約10%を超える人員整理を余儀なくされてきたことも事実であり、「現在の日本農業がおかれた情況の厳しさをメーカー側が受けとめた形での結果」、とJA全農肥料農薬部・山内元二次長は総括する。

 JA全農では、「加重平均で0.3%の引下げとなっているが、低コストに貢献できる価格を実現した「MYー100混合剤」の普及や、茎葉処理除草剤等での割安な系統独自大型規格品の設定によって、加重平均以上のコスト削減効果を引き出せ農家に還元できる」、と見ている。

 なお、まもなくJA全農は特許切れ農薬であるアセフェート(園芸用殺虫剤、製品名『ジェイエース』)の農薬登録を取得するが、登録を取得次第新価格を設定し、「低コスト剤」として大きく成長させていく方針だ。



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