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8割が低自給率に不安を持つ
  高い国内生産への期待 (10/10)
  
「農産物貿易に関する世論調査」より


 総理府が実施した「農産物貿易に関する世論調査」結果が10月10日までに公表された。調査項目は、@食料、A農業の多面的機能、B今後の農産物貿易政策について。全国3570人から回答が得られた。

 食料については、「国産品と輸入品を比較した場合、国産品を選択する」との回答は64.9%。選択した基準としては、「安全性」がトップで82.0%、次いで「新鮮さ」57.3%、「品質」42.3%などとなっている。
 また、わが国の食料自給率が40%であることについては「低い」とする回答が過半を超え、「将来の食料供給について不安がある」とした人は4年前の調査(70.5%)にくらべて増えて78.4%と約8割になっていることが分かった。さらに「外国産より高くても生産コストを引き下げながら国内で作るほうがよい」とする回答は43.6%となっている。

 農業が食料生産・供給以外に役割を果たしていると考えている人の割合は、64.7%となっており、その果たしている役割については「自然環境の保全」65.3%、「国土の保全」56.4%、「水源のかん養」45.3%、「食料安全保障」39.8%などとなっている。また、多面的機能を持っている農業を将来に残すべきと考える人は92.7%と極めて高いことも示されている。  一方、WTO農業交渉については、その開始を「知らない」人が67.1%、「日本提案」についても「知らない人」が83.2%と高く、今後、認知度を高めるための取り組みが必要なことが示された。

 また、日本の基本的な主張である「食料安全保障は確保されるべきである」との意見に「賛成」という回答は、79.4%に達している。「農業の多面的機能の維持・発展は必要である」という意見に「賛成」は63.7%、「国内農業維持のために一定の補助金などの措置は必要である」に「賛成」は37.5%となっている。また、「関税の引き下げによる一層の貿易自由化が必要である」との意見に「賛成」と「どちらかというと賛成」を合わせた割合は40.3%、一方、「反対」、「どちらかというと反対」は14.3%となった。この質問に対する回答でもっとも多かったのは「どちらともいえない」の36.0%となっており、今後、農業交渉が本格化するなか、JAグループによる農産物貿易政策をめぐって情報提供など広報活動もさらに期待されるといえる。



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