介護保険制度の実施にともなうサービス事業に参入するJAが増えており、JA全中のまとめでは11月1日現在で370JAが事業化した。これは全JA1355の27%強にあたる。
サービス別では、訪問介護の事業化が最多で344JA。次いで居宅介護支援134、福祉用具貸与105、通所介護51、訪問入浴17となっている。
また要介護状態になる前の高齢者に対する生活支援と介護予防の事業では、150市町村からの委託を受けて、92JAが実施している。
介護報酬の状況は、8月実施の調査によると、JAグループ全体で月間5億8000万円(保険請求額)となっており、年間では約70〜80億円の保険収益となる見込みだ。
5つの事業別では訪問介護で月間約3億円、通所介護で2億円となり、2事業で収益全体の86%を占めている。
全国の介護保険事業シェア(推定)でみると、訪問介護は1.5%程度、通所介護は1%程度とされる。
JA別にみると、通所介護の収益が全国1のJAは月間約2265万円にのぼる。訪問介護では約695万円が全国1だ。
収支は調査していないが、各事業で収益ベスト10にランクされているようなJAは、すべて黒字だと、JA全中はみている。
これらのJAは、ボランティアによる「助け合い活動」など4、5年前から介護サービスを手がけている実績があり、多くの利用者が定着している。
JA全中では事業化から3、4年で収支トントンにすることをめどにしていたが(今尾常務)、先進JAは、それをクリアした形だ。
しかし今春の制度実施と前後して事業化したJAはまだ赤字の段階とされ、全体として経営的には格差が大きいようだ。
月間の利用者件数は、訪問介護事業が最多で約7200人、次いで居宅介護支援同約5100人、通所介護同約4800人など合計1万8600余人。
サービス別比率は身体29、複合26、家事45で、家事の比率が最も高い。
なおJA全国大会決議は介護保険の事業者JAについて、サービスの品質管理や経営管理などのノウハウ蓄積を進め、事業の定着と経営的確立をはかる−という方針を打ち出している。
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