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炭本昌哉氏の著作に「JA研究賞」
  協同組合の「自由」を展望 (11/22)


 JAに関する優れた研究を表彰し、JA運動の発展に役立てる「JA研究賞」が今年度は農林中金総合研究所の監査役・炭本昌哉氏の著作「デフレ・自由化時代の協同組合」(11年12月、農林統計協会刊)と決まり、JA全中の原田睦民会長は22日、炭本氏に表彰状を贈った。

原田JA全中会長からJA研究賞を贈られる炭本氏=JAビルの全中会長室で

 経過は選考委員会と奨学委員会が一次推薦候補8点の中から決定した。
 同著は、インフレと規制の時代から、デフレと自由化の時代へ転換しつつある歴史的変化を客観的にとらえる中で「統一協同組合法」制定が求められると説き、同法の下での協同組合のイメージにも言及し、問題提起をしていると推薦理由は述べている。

 また炭本氏は、協同組合学会の会誌編集委員などの重責を果たすなど協同組合研究全般への功績が大きいことも授賞理由だ。

 授賞式のあと炭本氏は次のように語った。
 自由化で農協の組織範囲制(ゾーニング)が廃止されると、組合員は複数の組合に入れるし、また農協を選別することができる。農協は大きく変わらなければいけないのに農協法、漁協法、森林組合法、生協法など縦割り法制の下では消滅してしまう。そこで統一協同組合法という法律で大きな枠だけ決め、あとは各組合の自由に任せるようにすべきだ。それは株式会社の事業が商法という大枠の下で自由であるのと同じだ。こうした考え方に対しては非現実的だなどといった批判が多いなかで、今回の受賞には驚いている。

炭本昌哉氏
1940年大阪府生まれ。62年東京大学経済学部卒。農林中金入行、調査部次長、農中総研調査第一部長などを経て現職。主な著書には「自由化時代の金融機関」、「これからの農協機関」など。

 



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