農水省統計情報部がまとめた生鮮食料品のマーケット・レポート(小売業情報)11月上旬分の結果は次のとおり。
★旬の売れ筋情報
野菜
(東京)
☆雨の影響できゅうりが高値も、だいこん、キャベツなどの野菜は安値基調。また、天候が不安定なため鍋物用野菜の売れ行き不調(北区C量販店)
☆トマト、えのきだけ、ばれいしょ、さといも、だいこんが売れ行き好調。中でもトマトは前年売上げの131%、だいこん110%、さといも112%と好調。一方、鍋物用野菜の売れ行きは不調で、はくさい86%、しゅんぎく98%、ねぎ63%の売上げ(豊島区E量販店)。
☆ほうれんそうは雨の影響で多少の傷みが見られるものの、好調な売上げ。かぶも色が多少悪いものの、甘みもあり、調理の用途が広いため売上げ好調(中央区F量販店)。
(大阪)
☆はくさい、きのこ類など鍋物用野菜と葉物野菜が好調な売れ行き。野菜全体では入荷量も少なく売れ行きは不調。特に土物は不調(B百貨店)。
☆気温が高いため、この時期の割にはトマト、きゅうりなどの生食野菜が好調な売れ行き。ほうれんそう、しろ菜などの葉物野菜の売れ行きも好調(都島区E量販店)。
☆はくさい、だいこん、葉物野菜、きのこ類など冬野菜に移行し、まずまずの売れ行き。きゅうり、トマト、なすなどは価格が高くなり売れ行きは鈍くなった(住之江区B小売店)。
果実
(東京)
☆みかんは食味が良好で好調な売れ行きだが、品種の切り替わり時期を迎え量は極端に減少。かきは売れ行き好調で、相場が安値基調のため消費者に安く提供できる(北区C量販店)。
☆キウイフルーツは前年売上げの160%、みかん109%と好調な売れ行き。西洋なし(ラ・フランス)も好調(豊島区E量販店)。
☆フロリダ産グレープフルーツが出回り始めるも、品種が豊富なりんご、みかん、かき等に押され、売上げはいまひとつ(港区B小売店)。
(大阪)
☆りんご、みかん、かきなど季節の果実は好調な売れ行き。特に大玉のものや、栽培方法にこだわりのある果物は売れ行き良好。西洋なし(ラ・フランス)も試食販売で好評、順調な売れ行き(B百貨店)。
☆みかんは1箱売り・1kg入り袋での販売よりもバラ売りの方が自由に選べる楽しさから消費者に好評を得ている。果実全体では、天候の影響から売れ行きは鈍い(中央区A小売店)。
☆かき(富有)が好調な売れ行き。みかん、りんごも好調(住之江区B小売店)。
★旬の販売戦略情報
(東京)
☆野菜は鍋物用、炊き込みごはん用、煮物用の各コーナーを設けての販売。特にきのこ類が好調なので、売場スペースを拡大し販売。果実はみかん、西洋なし(ラ・フランス)、りんご(北斗)の味を吟味して試食販売を実施。特にみかんは酸味と甘みのバランスを考えて販売(新宿区A百貨店)。
☆おでん用に大きめのばれいしょ、だいこんを売り込む。特にだいこんは近郷産(千葉、茨城、神奈川)がおいしくなる時期で、Lサイズ中心に2L、3Lサイズを品揃え販売(中央区F量販店)。
☆柔らかくおいしいオーストラリア産アスパラガスを推奨し販売。また、今が旬のにんじん、れんこん、ごぼう、さといもなどを煮物用としてアピール、惣菜コーナーと協力して販売(港区B小売店)。
(大阪)
☆旬の葉物野菜を目立つ場所に裸のまま陳列し、売場全体の鮮度を演出して販売。みかんは甘味をPRするため糖度表示し、拡販を図る(都島区E量販店)。
☆きゅうりは品薄で高値のため、トマトと同様にバラ売りをして売上げ確保を図る。みかんはバラ売りで消費者の選択の幅を広げ、量販を図る(中央区A小売店)。
☆だいこん、白ねぎを日替わり奉仕品、みかん(Lサイズ)を大袋詰めで量販。りんご(L玉4個パック)、かき(富有)(M玉4個パック)を格安で販売。今後は試食販売も取り入れて売上げ増を図る(住之江区B小売店)。
★食卓から産地へ
(東京)
○みかんの食味にばらつきが出始めているという声。野菜、果実とも今まで以上に異物などのない「クリーン」さを求める声が増えている(目黒区B量販店)。
○種なしかきに、食べるとまれに「渋み」があるという声(品川区C小売店)。
(大阪)
○はくさいを1玉で買ったら中が腐っていた。輸入アスパラガスは半分以上に筋があり、固くて食べられなかった(中央区A小売店)。
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