トップページにもどる 農業協同組合新聞社団法人農協協会 農協・関連企業名鑑

13年度農林予算 0.8%減の3兆4003億円
  政府案決まる (12/24)


 13年度の農林水産予算の政府案が12月24日の臨時閣議で決定した。
 予算総額は3兆4003億円。12年度にくらべて0.8%の減額となった。
 内訳は公共事業費が1兆7400億円、非公共事業が1兆6604億円。公共事業費のうち災害復旧事業費は前年同額となったが一般公共事業費がマイナス1.4%となった。
 非公共事業費でも一般事業費はマイナス1.4%となったが、従来の「主要食糧関係費」に替わって、農畜産物全般の生産と経営安定対策予算をまとめた「食料安定供給関係費」の区分を新設、6952億円を計上した。12年度の予算のうちでこの新たな区分に該当する費用の合計(6853億円)とくらべて1.5%増と農林予算の内訳項目のなかでは唯一の増額となった。

 新規事項では今年3月に決定した「食料・農業・農村基本計画」の実現に向けた事業が並んだ。
 食料の安定供給の確保に向けては、
 △「望ましい食料消費の実現に向けた食生活指針の普及・定着」(11億1400万円、全国一斉の指針のPRや食料消費アドバイザーの育成など)、△「水田農業経営確立対策等の推進」(生産調整の緊急拡大追加助成64億円、需給調整水田158億円など)、△「農林水産業・農産漁村IT推進プロジェクト」(70億700万円、ITを活用した生産・経営の高度化システムの開発など)、△「食品流通の情報化の推進」(18億8800万円、生産・製造の履歴情報の提供推進・活用など)、△食品廃棄物のリサイクルの推進(47億4900万円、生産者と消費者、食品事業者を結ぶリサイクルネットワークの構築など)が上がっている。

 農業の持続的な発展に向けては△「農業経営資源活用総合支援対策」(融資枠2100億円、意欲ある担い手に対する経営支援など)、△新規就農対策の充実(30億4400万円、新IJUターン就農促進対策事業など)、△女性の経営参画の促進(10億100万円、出産・育児期にある女性農業者の経営参画の環境整備など)、△アグリビジネス起業家支援プロジェクト(19億3600万円)などが上がっている。
 また、農村振興については農村振興基本計画の策定を推進するためのなどの予算として新たに143億4600万円を計上した。中山間地域の直接支払い交付金予算は、12年度と同額の330億円。

 12年度予算は総額で3.8%増加し、農林予算も0.7%の増加だった。ただ、この伸び率は額にして252億円。新基本法農政の目玉とされた中山間地域への直接支払い額330億円にも満たなかった。
 そして、13年度予算は総額で2.7%減。農業予算も1%近く減った。食料自給率45%をめざす「基本計画」の実施初年度の予算だが厳しい内容となった。国民合意での自給率向上をめざす新基本法農政がスタートしたはずだが、財政事情も悪化し、かけ声とは裏腹に予算編成全体へのインパクトは与えていないのが現実だ。  



農協・関連企業名鑑 社団法人農協協会 農業協同組合新聞 トップページにもどる

農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp