21世紀の日本は世界一の高齢社会となり、体の弱った高齢者の介護は大きな社会的課題といえる。
総理府(現・内閣府)の調査によると、「仮に身体が虚弱になり日常生活を送る上で介護を必要とするようになった場合、どこで介護を受けたいか」という質問に、44.4%の人が「現在の自宅で介護してほしい」と回答している。また、「自分の『ついのすみか』としてどこで過ごしたいか」との問いに、回答者の75.7%の人が「自宅」と答えている。住みなれた場所で、家族に囲まれて生涯を終えたいというのが、高齢者のニーズだといえる。
しかし、このニーズを満たすにはいくつかの障害があるのも事実だ。なかでも一番の問題は住宅事情ではないだろうか。
この問題に一つの解答を示したのが、介護・自立支援ルーム「JA共済くつろぎの間」だ。
「JA共済くつろぎの間」は、高齢者・身障者の在宅介護や自立した生活に適応した浴室・トイレ・居室等を備える母屋増設型の鉄骨ユニット住宅だ。
農協共済中伊豆・別府両リハビリセンターで長年にわたって蓄積してきた介護ノウハウを活かし、積水化学工業の加齢配慮設備設計技術とユニット住宅技術を総合し、開発したものだ。
「JA共済くつろぎの間」には、次のような特徴がある。
@手すりの設置、車椅子での移動に配慮するなど身体が弱っても自立して過ごせる。
Aトイレと風呂を一体化し、介護スペースを確保するとともに気になるトイレの臭いと汚れを防げる。
B耐久性に優れ、高機能で快適な住空間が提供できる。
C短期間で設置することができ、母屋の住宅改造よりも割安となることが見込める。
D母屋に隣接して設置可能なため、疎外感が軽減される。
E独立した出入り口と在宅介護に必要な設備が揃っているため、ホームヘルパーに対する家族の気遣いが不要となる。
提供方法は販売のみで、仕様は3タイプおよびフリープランを用意しており、また、JA組合員およびJA共済利用者の場合には、割引価格で提供する。
Bタイプ(浴室、トイレ+洗面+居室+ランドリースペース:22.32u)で標準価格は530万円、組合員等利用者価格では448万5000円。価格には、確認申請等諸費用、現地工事費用、および消費税等は含んでいない。利用にあたってはJA共済の満期共済金などを活用できる。全国的な展開はこの4月から。
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