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「UR合意から後退」
  日本提案への各国の反応を紹介
  WTO事務局長が農相らと会談 (1/30)


 世界貿易機関(WTO)のムーア事務局長が来日して30日、農水省で谷津義男農相らと会談。ムーア氏は農業交渉日本提案について「ウルグアイラウンド(UR)合意から後退しているとみている国が多い」と厳しい状況を指摘した。

 自由化を進めるという合意内容から後退しているという国々の見方を紹介したわけだが、ムーア氏自身の見解は述べなかった。
 しかし同氏は自民党農林水産物貿易対策小委の中川昭一委員長らとの会談でも「後退」を強調。記者団から「後退のメッセージを伝えるために来日したのか」との疑問も飛び出した。
 谷津農相は「日本提案をよく読めばUR合意に誠実に対応していることがわかるはずだ」などとムーア氏に説明。また「農業交渉の進め方では、各国提案の相違点を明確にする作業がまず必要」と指摘した。

 「非貿易的関心事項」について同氏は、農業交渉で「どう取り上げていくか」が課題と述べたが、農業の「多面的機能」という言葉は出なかった。
 新ラウンドの立ち上げについては、同氏が「各国は日本のリーダーシップと責任を求めている」と発言。松岡利勝農水副大臣は「米国が大国として全体をまとめていくことが大事だ」と主張した。
 一方、同氏は、11月に中東のカタールで開く第4回WTO閣僚会議での新ラウンド立ち上げを目ざし、7月末までに交渉事項などのめどをつけたいとした。

 このあと同氏は宮沢喜一財務相、河野洋平外相らとも会談。早期立ち上げを確認して31日、オーストラリア訪問に向かった。





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