第47回全国青年大会では、今年も恒例の「青年組織活動実績発表全国大会と「JA青年の主張全国大会」が行われた。
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千石興太郎賞に選ばれた
JAいずも農青連 |
青年組織活動で千石興太郎賞に選ばれたのは、中国・四国ブロック代表のJAいずも農青連の「ぼくの将来(ちびっこ農業探検隊)」。同青年部平田支部では子どもたちに農業体験をしてもらおうと10年前から「ちびっこ農業探検隊」の活動を行っているが、数年前からはメロン栽培を企画し、盟友たちがハウスを建て、子どもたちと親に土づくりから、苗の定植、袋かけなど農作業のすべてを体験してもらっているという。その期間中には、親子と地元小学校の先生との交流会も開き、自給率と食べ残しの問題について話合うなど活動も広げた。
さらに収穫後、子どもたちと親に「販売まで体験してみては」と青年部が提案し、JAの店舗を借りて子どもたちが「メロン販売大作戦」を実行した。子どもたちは販売単価を決めるために市内のスーパーなどを調査したり、宣伝のためのチラシ配りにも取り組んだ。
子どもに農業体験をしてもらう試みは各地で行われているが「体験学習に販売まで取り入れた点が今後の指針になる」(審査委員長の安藤義道鯉淵学園教授)点が評価された。
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JA全中会長賞に選ばれた
JA矢本町青年部の小岩敏幸氏 |
一方、JA青年の主張でJA全中会長賞に選ばれたのは、東北・北海道ブロック代表の小岩敏幸さん(宮城県JA矢本町青年部)の「地域と、ともに」。
小岩さんは、稲作のほか水耕栽培でチンゲンサイを生産したている。今では青年部の先輩たちの援助をもとに周年栽培を行い、仲間とともに矢本町独自のブランド「デリシー」を確立した。
ただし、最近は輸入野菜の急増などによる価格低迷に悩まされている。こうした状況のなか、小岩さんは、県内で生産された農産物は県内で消費すべきだと地元での販売に力を入れてきた。単に販売するだけでなく、料理講習会や新しい料理のコンクールなども積極的に行っている。「顔の見える関係」をつくることが地域の農業を元気にするという小岩さんの主張は「地産地消が地域農業の生き残るための方向であることを示唆している」(安藤審査委員長)と評価された。
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