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JA全農 生活委員会を開催(2/16)


 JA全農は、会長の諮問機関である生活委員会を開き店舗事業の競争力強化策を審議、了承された。JA-SS事業では今後の1年間で200ヶ所を黒字化し5年後には1000ヶ所で黒字化を達成、黒字比率70%をめざすなどの方針を確認した。営業時間の延長、油外収益の増加などSSのタイプ別に改善計画を立てる。また、Aコープ事業では、「Aコープチェーン店舗総点検運動」を13年4月から3年間展開、業態転換も含め改善策をとる。同委員会は3年ぶりに開かれた。

◆JA-SSの競争力強化のために具体的取組み課題を明示
―5年後には黒字SS比率を70%に――

 JAグループの石油事業は、全国4763ヶ所(業界全体の約9%)のSS、9ヶ所の沿岸基地を持ち、取扱量は850万kl(業界全体の約6%)と国内最大の流通・販売グループとなっている。しかし、厳しい情勢のなかで多くの商系SSが赤字経営を余儀なくされているのと同様に、JA-SSでも半数以上が赤字となっている。
 その原因は、組合員の利便性を考慮して設置されてきたために「需要閑散地域」に立地しているSSが多いこと。そして日曜に営業していないSSが全体の72%もあり、平均営業時間が11.5時間/日と業界の13.3時間より2時間近く短いこと。油外商品の売上高が商系の約半分しかないこと。経費に占める人件費率、労働分配率が約61%、62%と健全な状況といわれる50%以下を大きく上回り、生産性が低いことなどがあげられる。
 このため生活委員会で審議された「JA-SS競争力強化に向けた取り組みについて(案)」では、
@全国で年間200SS以上の赤字解消をはかり、5年後には2800の黒字SSを実現(黒字SS比率70%)。
A民生用・営農用燃料(A重油、軽油、灯油)の効率的配送体制の確立を基本目標として掲げた。
 そのためにJAではエリア内の商圏分析を実施し、SSの適正再配置、商圏や立地の特徴を生かしたSS運営、民生用・営農用燃料の効率的配送体制の構築を柱としたJA石油事業マスタープランを作成・実行し、基幹SSの整備・育成をはかるとともにSSの統廃合を促進し、1SS当たり取扱量の拡大をはかっていく。
 SSにおける具体的な取組みとしては、
@営業時間延長、日曜祭日営業、周辺SSに売り負けない価格設定によって燃料油取扱数量を拡大。
A洗車の積極的な取組みやカーケアサービスの実施で油外収益を拡大する。
B要員の適正配置によって人件費を削減・圧縮することをあげている。
 連合会はこれを支援するために連合会職員の運営指導能力の強化に努め、スーパーバイザー(SV)を育成し、SS臨店指導、販売促進・運営指導、店舗開発体制を強化するとしている。

◆赤字店解消へ
――Aコープチェーンが業態転換と閉鎖図る――

 加盟1248店舗(昨年3月末)のうち半数近い513店舗が赤字となっている全国Aコープチェーンは、5年後の平成17年までに350店の業態転換と閉鎖をはかり、恒常的な赤字店を解消する。
 このため4月から「全国Aコープチェーン店舗総点検運動」を実施し、9月までに業態転換と閉鎖の計画を年次別に策定。これに従って13年度には150店、15年度には300店の赤字店をなくす方針だ。
 チェーン全体の12年度末供給高見通しは7344億円で8年連続の前年割れとなる予想。スーパーでも4年続きの売上高減少(日本チェーンストア協会7000店)となる見通しで、ダイエーやマイカルなどの店舗閉鎖が続いている。
 全国Aコープチェーンでも、すでに業態転換や閉鎖などが進み、今年度末には42店減って1206店となる見通し。新規出店は19店(前年9店)、既存店の増改築は21店(前年56店)だが、新規出店の平均売場面積は392坪(前年328坪)と大型化している。
 13年度からは次期3か年計画に入るが、業態は食品スーパーに徹する。また大型化していく。衣料やグリーントップの非食品分野はテナント方式に切り替えるなど軌道修正する。
 点検運動の対象は全国と県のチェーン加盟店舗273店舗。その他の小型生活店舗は別途検討する。
 点検は6月までに作る簡易点検表により実施する。その結果3年先の黒字基調が見通せれば店舗を継続する。
 経営改善で赤字転落回避の可能性がある場合は大型化などの対策をとる。
 業態転換には@高齢者用品の展示場A葬祭関連事業Bギフトカタログ事業C食材宅配事業D農産物直売所EコンビニFコメと酒のディスカウントストアなどのメニューがある。



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