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自主米価格 上向 魚沼コシは5000円アップ
  ― 第8回入札結果 (2/28)


 12年産自主流通米の第8回入札が2月23日に行われた。

 全銘柄の平均指標価格は60kg1万5958円で前回指標価格を111円(0.7%)上回った。上場されたのは68銘柄でそのうち55銘柄が前回の指標価格以上となった。前回入札では、69銘柄中39銘柄が前回以上となったが、今回はそれを上回る割合だ。
 もっとも価格が上昇したのは新潟「魚沼コシヒカリ」。前回より5325円も上がり60kg2万8523円となった。
 今回の全上場数量は10万3669トンで、落札数量は10万1911トンと落差率は98.3%となった。前回は94.6%。申し込み比率も大幅に上回る2.3倍となった。

自主米入札結果

 JA全農では、今回の入札結果について、@「緊急総合米対策」による64万トン隔離後の銘柄グループ別年間販売計画を明示したこと、A国の精米表示の指導が徹底されつつあること、B7年産政府持ち越し米、計画外流通米など安い原料米の供給量が減少したこと、などにより販売環境が改善してきたとみている。
 今後は、64万トン隔離後の産地・銘柄別3月以降の販売数量を早期確定していく方針で、さらに環境は改善すると見通している。そのため、JAグループとしては計画の販売の実施や、入札の申し出価格への慎重な対応、リベートの廃止、に取り組むことが必要になっている。

◆魚沼コシ、1kgで500円も違う!?

 食糧庁は、2月に全国のディスカウントストア(DS)とスーパーを対象に精米の販売価格と表示について調査した。対象銘柄は、産地名を冠した「コシヒカリ」と「あきたこまち」の単一銘柄。全国584店舗で(DS251店舗、スーパー333店舗)、総数2357点を調べた。
 1kgあたりの販売価格は、たとえば「魚沼コシヒカリ」では、DSの最高価格が846円、最低価格350円、スーパーでは最高価格940円、最低価格456円だった。いずれも販売価格には500円程度の開きがある。「秋田あきたこまち」でもスーパーの場合、最高価格が656円、最低価格が298円だった。
 この結果からみて食糧庁は、自主流通米の取引価格からすると、納入価格が原価割れしている商品はDSで81点、スーパーで55点あったとし、これら原価割れと思われる商品を製造した78業者に対して、表示と内容が一致しているかどうか、現在、食糧事務所による立ち入り調査に入っている。調査の結果、表示と内容の不一致が確認された場合は、都道府県と協議して業務改善命令などを出す予定だ。
 また、この調査で認証マークなしで3点表示(産地・品種・産年)を行っていたのは99点あり、店頭で直ちに改善が指示されたという。

◆リベートの実態調査を指示 ― 松岡副大臣

 松岡利勝農水副大臣は2月26日の大臣政務官会議後の記者会見で、自主流通米取引について「いくらバックするから価格はいくらに、というのは市場の不公正なとりひきを助長するのではないかという問題がある」とリベートを問題視し、食糧庁として実態を調査するよう指示したことを明らかにした。

◆米の消費 再び減

 食糧庁は2月21日に12年12月分の1人1か月あたりの米の消費量を公表した。全世帯の消費量は5312gで前年比0.4%の減となった。消費世帯では0.2%の減(5159g)、生産世帯では1.5%の減(6931g)だった。先月公表された12年11月分は0.1%とわずかではあるが前年にくらべて増加したが、今回は再び減少となった。



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